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2023.06.19

VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?仕組みや活用シーンを紹介

セキュリティレベルの高い通信環境を構築するためにVPNが有効であることは知っていても、いざ導入するとなると、具体的な活用方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。

活用方法が分からないままでは、せっかくVPNを導入しても、期待した効果を得られないまま形骸化してしまうおそれがあります。

この記事では、VPNの導入に失敗しないよう、VPNの基礎知識からメリットとデメリット、具体的な活用例までをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

 

VPN(仮想プライベートネットワーク)とは

VPN(Virtual Private Network =仮想プライベートネットワーク)は、専用の機器を設置することで拠点間に仮想の専用線を構築し、安全なデータ通信を可能にする仕組みです。

公衆回線を利用して社内ネットワークにアクセスする際には、データの暗号化や、トンネリング技術によって第三者による通信の盗聴リスクを軽減します。

VPNを利用することで、送受信するデータの内容や、IPアドレス、閲覧履歴などの情報を秘匿状態にでき、ユーザーのプライバシー保護に役立ちます。

近年ではリモートワークの増加に伴い、拠点間だけでなくデバイス間でのVPN利用も増えているため、モバイル端末のセキュリティ対策にも欠かせないシステムであるといえるでしょう。

 

安全なネットワークを構築できるVPNの仕組み

VPNは以下の技術によって、安全なネットワークを構築しています。

  • トンネリング
    公衆インターネットは、不特定多数のユーザーが利用するため安全ではありません。
    そこでVPNによって仮想的な直結回線を構築し、
    外部から見えないトンネルの内部でデータのやりとりを行います。
  • カプセル化
    仮想トンネルで送受信されるパケットを別のプロトコルでカプセルのように包み、送受信します。
    カプセル化されたデータはトンネリングを用いて流され、指定された宛先に届くまで解除されません。
  •  認証
    仮想トンネルに第三者が入れないように、ユーザー証明や端末認証を行います。
    本人認証により正当なアクセス権がなければ、仮想ネットワークには入れない仕組みになっています。
  •  データ暗号化
    万一仮想トンネルに不正アクセスされた場合、カプセル化した送受信データの暗号化により解読リスクを回避します。
    暗号化と復号のために必要な「暗号鍵」は、あらかじめ送受信元で共有し、認証によって安全性の高いVPN接続が確立されます。

 

VPN接続の種類

下記、主な4つのVPN接続の種類について解説します。

  • インターネットVPN
    インターネット回線を経由してVPN接続する通信経路のことを指します。
    公衆回線を利用するため低コストで導入できますが、通信品質やセキュリティレベルは閉域網に比べ劣ります。
  • エントリーVPN
    通信事業者の提供する閉域網を利用しますが、ADSLや光回線などのブロードバンド回線を使ってVPN接続します。
    インターネットVPNに比べ安全性は高くなりますが、利用者の数や回線状況により通信が不安定になることがあります。
  • IP-VPN
    サービス事業者の契約ユーザーのみが利用できる閉域網を利用します。
    インターネット経由ではないので、通信品質やセキュリティの高さが優れています。インターネットVPNに比べるとコストが高くなる傾向があります。
  • 広域イーサネット
    離れた場所にある拠点をイーサネット(LAN)で接続し、一つのLANのように利用できます。
    プロトコルに制限がないため、自由なカスタマイズ設計ができます。高い専門知識と費用が必要ですが、自社での構築も可能です。

さらに詳しい特徴については、こちらの記事をご覧ください。

VPN接続の種類は4つ!それぞれの違いを詳しく解説

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VPNを導入するメリット

VPNの導入するメリットは、安全性の高い通信環境を低コストで構築できるという点です。

  • セキュアな通信環境を実現できる
    VPN接続した通信環境は、一般的なインターネット回線よりも高いセキュリティが確保されています。
    トンネリングやカプセル化などの技術に加え、「IPsec」や「L2TP/IPsec」などのプロトコルで暗号化したデータは、第三者による盗聴リスクを軽減します。
    そのため、
    無料の公衆Wi-Fiを利用しても、安全に社内ネットワークにアクセスすることが可能です。
  • 物理的な専用線を設置せずに済む
    拠点同士をネットワークでつなぐ場合、拠点間に専用線を敷設する必要がありますが、費用がかかるうえ、利用できるまでに時間を要します。
    仮想の専用線(VPN)であれば、拠点間に機器を設置してすぐに利用でき、コストも低く抑えることが可能です。
    また、使用中の端末にVPN用のソフトウェアやアプリをインストールしておくと、
    社外からでも安全に社内ネットワークにアクセスできるため、テレワークの導入もスムーズに行えるでしょう。

 

VPNを導入するデメリット

VPN導入のデメリットとしては、通信品質の低下や、運用コストの高さなどが挙げられます。

  • 通信品質が低下してしまう可能性がある
    大容量のデータ通信や、VPNサーバーへアクセスが集中することなどにより、通信速度が低下してしまう可能性があります。
    インターネットVPNやエントリーVPNなどの「ベストエフォート型」の接続は、
    通信速度が保証されておらず、時間帯や利用者数によって通信速度が変化するので注意が必要です。
  • 利用するサービスによっては運用コストが高額になる
    VPNサービスの料金は、通信事業者や契約内容によってさまざまです。
    IP-VPNや広域イーサネットは、通信速度が保証された「ギャランティ(帯域保障)型」のため
    安定した通信が可能ですが、ベストエフォート型に比べて料金が高い傾向があります。

導入にあたっては、セキュリティと通信速度に加え、コストについても十分に検討し、過不足なくバランスの良い運用ができるサービスを選ぶことが大切です。

テレワーク中のVPNが遅い!?原因と対処方法

 

ビジネス利用におけるVPNの代表的な活用例

VPNの仕組みやサービスの特徴は分かったものの、自社でどう活用すべきかイメージが湧かないという方のために、実際のビジネスシーンでの活用例を下記にまとめました。

複数の拠点間をつなぐ 企業の拠点間をつなぎ、シームレスな社内ネットワークを構築します。離れた場所にある拠点同士で快適なデータのやりとりが可能です。
テレワーク環境の構築 テレワーク環境の導入に役立ちます。VPN専用ソフトウェアをインストールすれば、自宅からも安全に社内ネットワークへアクセスできます。
BCP対策 サイバー攻撃や災害など、有事の際に速やかに復旧ができるよう対策を講じます。出社できないような状況でも、社外からアクセスできれば問題に対処できます。
海外拠点の設営 インターネットが自由に使えない国に拠点を設置する場合などに役立ちます。法律により禁止されていなければ、VPNを利用し日本のサイトにアクセスすることも可能です。

 

上記の例以外にも、さまざまな活用法があります。VPNを利用し、安全で快適なネットワークを構築しましょう。

VPNは企業にとって本当に必要か?必要なシーンとメリット

 

(まとめ)社内のVPN構築を「FLESPEEQ」がサポート

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、拠点間に専用の機器を設置し、トンネリングや暗号化などの技術を用いて安全性の高い通信環境を構築します。

VPNの導入には、物理的な専用線を敷設せずにセキュアな通信環境を構築できるというメリットと、利用するサービスにより上がる運用コストや通信が遅くなるといったデメリットもあります。

「FLESPEEQ VPN」は、閉域VPNサービスのため、高いセキュリティで安定した拠点間通信の実現が可能です。

リモートアクセスやルータ保守などの充実したオプションに加え、他のFLESPEEQサービスを組み合わせることでより快適なオフィスのICT環境が構築できます。

日本通信ネットワークでは、企業ごとに、企画立案から構築・運用までワンストップで、ICTソリューションサービスを提供しています。
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