ここ数年で、テレワークを導入する企業が業界を問わず急増しています。
社員が働く場所がオフィスの外に移ったことで、セキュリティ対策や業務効率化に悩みを抱えているIT担当者の方も多いのではないでしょうか。
テレワークのセキュリティ対策や業務効率化には、VPNとリモートデスクトップの導入が効果的です。
この記事では、VPNとリモートデスクトップを活用した、テレワーク環境の構築方法を解説します。企業側はセキュリティ面の不安を軽減でき、社員はオフィスの外で快適に仕事ができるようになるので、ぜひ導入をご検討ください。
目次
リモートデスクトップとは、遠隔で別端末から社内PCに接続する技術のことです。テレワークなどの際に、自宅やカフェなどオフィスの外から遠隔操作でデスクトップを操作できます。
Windows10搭載など、標準でリモートデスクトップ機能がついている端末であれば、専用のソフトウェアを用いて画面の転送が可能です。
別端末でデスクトップ画面を操作することで、社内にいなくてもキーボードやマウスの入力情報を反映させることができます。
社員個人が所有しているPCではなく、社内PCを利用して作業することは、情報漏洩の防止対策としても有効です。
VPNを接続してリモートデスクトップを利用するためには、リモートデスクトップ機能、もしくはWindows10Pro搭載のパソコンが必要です。外部接続を行うため、パソコンやルーターがVPNサーバー機能に対応していることも確認しておきましょう。
公衆回線を利用したインターネットVPNであれば、VPN機能を用意するだけでリモート接続が可能です。ただし、VPNサービスによってはアプリのインストールが必要な場合もあります。
リモートデスクトップの利用には、企業側でダイナミックDNS(DDNS)サービスの導入も必要です。ダイナミックDNS(DDNS)とは、利用端末側で動的(ダイナミック)に割り当てるグローバルIPアドレスを、固定のホスト名で接続してくれるサービスです。遠隔によるリモート接続をする際は必須となります。
ダイナミックDNS(DDNS)サービスを導入する代わりに、ダイナミックDNS(DDNS)備えつけのVPN対応ルーター、もしくはVPNサーバーを利用する方法もあります。
ここでは、VPNとリモートデスクトップを併用して行うテレワーク環境の構築方法を紹介します。一般的な流れは次の通りです。
まずは、VPNを用いて社内ネットワークを構築します。VPNのサービスによって対応方法が異なるため、導入するサービスが決まったら手順を確認しましょう。
次に、接続先の社内PCに対して、リモートデスクトップ接続を許可するよう設定します。
Windows10Proとそれ以外のPCで手順が異なるため、それぞれ解説します。
<Windows10Proの場合の手順>
<Windows10Pro以外の場合の手順>
社内PCが設定できたら、接続元の利用端末でリモートデスクトップとVPNを利用できるように設定します。ここでは、Windows10Proの場合の設定方法を利用端末ごとにご紹介します。
Windows10Pro以外のPCの場合は、リモートデスクトップソフトに応じた対応が必要です。マニュアルに従ってインストールや設定を行いましょう。
また、VPNの設定方法はサービスによって異なるため、会社側で必要なアプリのインストールや環境の設定方法などのマニュアルを用意したうえで設定を進めてください。
<WindowsPCの場合>
社内PCでリモートデスクトップ接続アプリを起動し、社内PCのPC名を入力
<MacPCの場合>
<スマートフォン・タブレットの場合>
最後に、動作確認のため、接続元の利用端末から接続先の社内PCへリモートデスクトップ接続します。
ここでは、必ずVPN接続を最優先で行いましょう。VPN接続を忘れてしまうと、リモートデスクトップ接続を行った際に、VPNによるセキュリティ対策を講じていない状態で接続されてしまいます。
VPN接続ができていることを確認したら、リモートデスクトップ接続アプリから接続先の社内PC名を選択し、接続できればリモートデスクトップの接続は完了です。
VPNを接続し、リモートデスクトップを使うことによる主なメリットは次の4つです。
リモートデスクトップは、遠隔で接続したホスト側の社内PCで実際の動作処理が行われるため、利用する端末側の性能に依存することなく遠隔操作が可能です。
例えば、大容量のデータを扱う動画編集、画像の加工をタブレットで行うなど、本来はその端末に不向きな作業方法であっても、円滑に作業することができます。
実際のデータファイルはリモート接続先の端末で取り扱って処理をしているため、データ送受信が遅れることはありません。
また、最近ではVPNサーバーの品質向上に伴い、従来よりも通信速度が向上しています。
コスト削減につながることも、リモートデスクトップのメリットです。
リモートデスクトップを利用せず、企業専用のソフトウェアやセキュリティソフトを社員が持っている各端末にインストールすると、コストが増える要因になります。
VPNを接続してリモートデスクトップ環境を構築すれば、基本的にソフトなどの導入は必要ありません。スマートフォンやタブレットでもリモートデスクトップを利用できるため、端末を新たに購入するコストも削減できます。
また、VPNを接続しているので、より安全な通信回線を利用して、直接社内のネットワークにリモートアクセスが可能です。
リモートデスクトップの利用にVPNを導入することで、情報漏洩のリスクを低減できます。
リモートデスクトップは、直接社内ネットワークへのアクセスは行わず、あくまでホスト側の社内PCを別端末で遠隔操作する仕組みになっています。
一般的なインターネット回線の場合、企業にある社内データの情報漏洩やハッキングによるデータ改ざんの恐れがありますが、VPNは公衆回線の閉帯域で仮想の通信線を接続する形です。そのため、社内データを保護しながらデータのやりとりをすることが可能となります。
また、VPN経由でリモートデスクトップを接続する場合は、ID・パスワードで認証された人しか社内ネットワークに入れない点も、安心・安全に利用できる理由のひとつです。
VPNに接続してリモートデスクトップを導入すると、場所を問わず仕事ができるようになります。社員が個人の事情に合わせて働く場所を選べるようになれば、ライフスタイルの変化による離職を防止する効果が生まれます。
さらに、オフィスから離れた場所に居住する優秀な人材を、リモートワークで採用できるようになるなど、採用面でのメリットも大きいといえます。
今回は、VPNとリモートデスクトップの活用方法を解説しました。
テレワーク環境を構築するなら、まずはVPNとリモートデスクトップの導入をおすすめします。セキュリティ対策と業務効率化を同時に実現でき、企業の働き方改革につながります。
また、グローバル企業であれば、海外の拠点と日本の拠点間でVPNを導入して社内ネットワークを構築することにより、通信データを保護しながらやりとりを行うことが可能です。
機密性が高い情報でも、VPN経由でリモートデスクトップを利用すれば安全にデータの送受信ができます。
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