VPNを導入したものの「突然接続できなくなった」「なぜなのか原因が分からない」という状況に陥るケースがあります。
VPNをスムーズに接続できなくては、業務に支障をきたしかねません。原因と対処法を知り、VPNを活用しましょう。
VPNに接続できない原因には、Wi-Fiルータやパソコンの設定ミス、ファイアウォールの影響など、さまざまな理由が考えられます。
この記事では、VPN接続ができない原因と対処法を詳しく解説します。Windowsだけではなく、Macの場合の対処法にも触れているため、どのOSをお使いの方もぜひ参考にしてください。
参考記事:
VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?仕組みや活用シーンを紹介
目次
突然VPNに接続できなくなった場合の原因と対策は、OSごとに異なる部分もありますが、共通する部分もあります。
ここでは、WindowsとMacでほぼ変わらない対処法をご紹介します。
DNSサーバの情報やIPアドレスを手動で取得する設定になっていると、自動的に割り当てられる情報が無視され、VPN接続できない可能性があります。
下記の手順で確認しましょう。
パソコンのファイアウォール設定でpingコマンドが無効化されている場合、VPN接続ができない場合があります。
古い規格のプロトコルである「IPsec」や「PPTP」がVPN接続に利用されていると、ファイアウォールに阻まれることがあり、うまくVPNに接続できなくなります。
一時的にファイアウォールを無効にし、VPN接続ができるかどうかを確認しましょう。手順は下記の通りです。
なお、現在主流となっているVPNのひとつである「OpenVPN」は、ほとんどのケースでファイアウォールを通過することができます。
認証プロトコルの誤入力や、設定ミスにより接続不可になるケースもあるので注意が必要です。
ルータを設置した後は、端末とルータそれぞれの認証プロトコルを確認し、一致しない場合は再設定しましょう。
各拠点に設置されたVPNルータは、接続の際に「IPsec」や「PPTP」などのプロトコルを用いて機器同士の認証を行っています。
VPNルータの管理画面、端末の設定画面を見て、別々のプロトコルになっていないかを確認してください。
ダイナミックDNSが正常に稼働していないと、VPN接続できないことがあります。
ダイナミックDNSは、自動的に割り当てられたIPアドレスが変更になった際に、登録したドメイン名に新しいアドレスを通知してくれるサービスです。
IPアドレスを指定し、VPNルータのWAN側からは接続できる場合でも、「ドメイン名で接続できない」というときには、設定に不備がある可能性が高いため、以下の項目をチェックしてみましょう。
IPsecやPPTPなどのプロトコルは、「パケット」と呼ばれる単位で送受信を行いますが、パケットフィルタの設定により無効になっていると、VPN接続がうまくできません。
VPN接続に使用されるIPsecは、「AH(Authentication Header)・ESP(Encapsulated Security Payload)・IKE(Internet Key Exchange)」、PPTPは「GRE(Generic Routing Encapsulation)」と呼ばれる複数のプロトコルグループで構成されています。
ルータ側で、必要なパケットが通過できるよう、パススルー設定を見直しましょう。
環境によって設定手順が異なるため、分からない場合はベンダーに相談してください。
OS側に標準搭載されていない「ネットワーク制御ツール」が端末にインストールされていると、VPNに接続できないことがあります。
代表的なネットワーク制御ツールはセキュリティソフトですが、企業イントラネットのような多数のユーザーが利用する端末では、セキュリティを確保するためにネットワーク制御ツールが欠かせません。
VPNの接続不良の対処に、「不要なネットワーク制御ツールを無効化する」という方法がありますが、念のため、無効化する前にOS標準の設定になっていないか確認してください。
OS標準の設定でVPN接続ができない場合にのみ、不要なネットワーク制御ツールを洗い出して、削除や無効化を検討してみてください。
プライベートネットワークのIPアドレスと、VPN接続時に取得したIPアドレスが重複していた場合にも、VPN接続できない可能性があります。
この状態では、VPNではなくプライベートネットワークにアクセスしてしまうため、VPN接続できません。
IPアドレスが重複する可能性は低いものの、ほかの手段を試しても解消しない場合は、ネットワーク接続においてVPNが優先されるよう設定してみると良いでしょう。
意外と見落としがちなミスとして起こるのがパスワードの誤入力です。VPN接続時にパスワードを入力する設定の場合は、正しく入力できているか確認しましょう。
システムの管理者がパスワードを設定している場合、パスワードが変更されている可能性も
あるため、担当者に確認してください。
接続できずに焦っていると、大文字と小文字が間違っているといった、単純なミスにも気づけないことがあるので、落ち着いてパスワードを見直すことが大切です。
MacでVPNに接続できない際の基本的な対処法はWindowsと変わりませんが、異なる部分も存在します。
以下、Windowsとは異なる、Macならではの原因と対処方法をご紹介します。
Wi-Fiまたはモバイル端末のテザリングでVPN接続ができても、固定回線でエラーが起きてしまう場合は、ルータ側の設定に問題があるかもしれません。
ルータの設定は下記の手順で確認できます。
アップルメニューまたはDockの「システム環境設定」から「ネットワーク」を選択
「Wi-Fi > 詳細 > TCP/IP」の順にアクセスし、設定内容を確認
設定内容をチェックし、必要であれば「手入力」に切り替え、情報を修正しましょう。
Macはネットワークの接続先が自動的に順位付けされているため、VPN接続の優先度が低い場合、自動的に接続できない可能性があります。
下記の手順で設定し、対処してください。
ネットワーク接続時に、必ずVPNを通過するよう設定することもできます。下記の手順で設定しましょう。
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急にVPNに繋がらなくなる理由はさまざまで、すぐに原因が分かることばかりではありません。
以下、VPNが繋がらない際に寄せられる、よくある質問をまとめました。前述の対処法と合わせて参考にしてください。
トラブルを記録し、自社のナレッジとして蓄積しておくと次回以降の問題発生時に活用できます。
必要であればトラブル対応のマニュアル化も検討し、同じトラブルが発生して業務に支障が出るリスクを減らしましょう。
Windows、Mac、iPhoneなど端末のOSによって対処法が異なるため、マニュアルを整備する際はOSやデバイスの種類ごとに情報を分類するのが理想です。
また自社で解決が困難な場合は、ベンダーやプロバイダに連絡するケースもあるでしょう。
パソコンやスマートフォン、ルータなど、どの箇所に問題が発生しているかによって連絡先が異なるため、原因を切り分けて考えることが大切です。
上記のトラブルシューティングを参考に、一度起きたトラブルを原因別に分類し、適切な連絡先を記録しておくと良いでしょう。
VPNを使ってリモートアクセスできない場合は、下記の項目をチェックして、必要であれば再設定や再入力を行いましょう。
iPhoneでVPN接続できない場合には、以下の原因が考えられます。
参考記事:
【iOS 16対応】iPhoneでVPN接続できない原因と対処法まとめ
VPNが突然繋がらなくなる原因には、ファイアウォールの影響やルータの問題など、さまざまな理由が考えられます。
普段からトラブルシューティングを記録し、問題発生時に活用できれば良いですが、自社で対応できない場合には、各ベンダーへの連絡といった担当者の負担が増えてしまいます。
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