
セキュリティ 2025.03.13
2018.09.24
ネットワーク構築
遠隔地を接続する技術であるWAN(Wide Area Network)の新しいテクノロジー、SD-WAN(Software Defined WAN)が注目されています。これは似た名前であるSDN(Software Defined Network)と同じく、ネットワーク構成をソフトウェアで定義することで、柔軟に制御できるものにする仕組みです。
ITインフラはコンピュータとネットワークで構成されていますが、近年コンピュータ側については仮想化技術が発達し、CPUやメモリ、ストレージといった構成要素をソフトウェア的に設定して仮想的なサーバーを柔軟に構築運用できるようになりました。同様にネットワーク側についてもソフトウェア的に設定した仮想的なネットワークを構築運用できるのがSDNであり、それをWANについて実現したのがSD-WANです。
ネットワークのソフトウェア化(仮想化)によって得られるメリットは、ネットワークをきめ細かく柔軟に構成・制御できるようになることです。
本来、1つのオフィスでもそこで必要な通信には様々な性質のものがあります。SD-WANによってそれぞれの性質により適した制御ができるため、ユーザーにとっても管理者にとっても使い勝手とコストパフォーマンスのよいネットワークを実現するために役立ちます。
そもそもネットワークの「仮想化」とは何を意味しているのでしょうか?
イーサネット技術を例に見てみると、開発当初の1970~80年代には物理的に同じ1本の通信ケーブルで接続された範囲を「セグメント」と呼び、セグメント単位で通信の制御をしていたため、ある機器を別なセグメントに移動するためには物理配線をつなぎ替える必要がありました。
それがVLAN技術として発展した現代でも「セグメント」の概念は残っていますがあくまでも論理的なものであり、配線作業不要でソフトウェア的にVLANスイッチの設定を変えるだけでセグメントを移動することができます。つまりVLAN技術もネットワーク仮想化の1つの仕組みです。
しかし、ネットワークはVLANスイッチだけでは動きません。ルータ、ファイアウォール、ロードバランサーなどVLAN以外の機器はそれぞれ個別に設定する必要があり、この作業は非常に煩雑なものでした。
SDNはこれらをすべて1つの管理画面から統合的に扱うことを可能にする、ネットワークの全域を仮想化する技術であり、SD-WANはそのWANバージョンになります。
現在SD-WANが注目されている背景にあるのがクラウドサービスの発達です。オフィス365やWindows Update、Web会議、社員研修や情報収集への動画利用など、インターネット/クラウドの徹底活用が生産性向上に不可欠になる中でWANのトラフィックが急増し多様化しています。
クラウド以前のWAN設計の考え方では、安全性を重視して「社外への通信の出口は1ヶ所にする」という原則を採用する例が多く、支社/支店からのトラフィックもすべていったんWAN経由で本社やデータセンターに集約してそこからインターネットに出す方式を採っていました。
当然この方式ではクラウドの活用が進めば進むほどWANトラフィックが急増して帯域不足に陥ります。それに応じてWAN帯域を拡張しようにも、多くの企業が本社/支社間WANに利用している閉域網は一般のインターネット通信サービスに比べて費用が高いことが障害になります。
この問題を解決するために役立つのがSD-WANのローカルブレイクアウト(インターネットブレイクアウト)と呼ばれる機能です。これは各拠点にSD-WAN対応のルータを設置し、オフィス365など接続先の真正性が保証されている一部のアプリケーションによるトラフィックをそれ以外の通信と区別してインターネット等の安価な回線に流す仕組みです。これによってトラフィックの種類に応じて高価な回線と安価な回線を使い分け、通信の最適化/費用の削減が可能になります。
また、クラウド時代のWAN管理にはトラフィックの可視化が欠かせません。たとえばWindows Updateが始まったとき、大勢でWeb会議を始めたとき、あるいは社員がワールドカップやオリンピックを見ようとしたなど、現代のITインフラ環境ではこれらのちょっとした理由でインターネットの通信量が大きく変動します。
トラフィックの急増に対して適切な手を打つためには「拠点ごと・アプリケーションごと」に通信量の推移をグラフ化するなど、わかりやすい形でトラフィックを可視化できる必要があります。複数の拠点からそれらのデータを収集し可視化する機能もSD-WANの重要なポイントです。
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