コロナ禍以降、テレワークやハイブリッドワークを取り入れる企業が増え、自由な働き方が社会に浸透しつつあります。
その一方、情シス担当がいない、社内のIT環境が整わないなどの理由から、ハイブリッドワークを実施できずにいる企業も少なからず存在します。
ハイブリッドワークを導入しても、問題ばかりで活用できないようでは意味がありません。適切な環境を構築し、自社のハイブリッドワーク導入を成功に導きましょう。
この記事では、ハイブリッドワークの概要や、導入のメリットについてまとめています。導入後に起こりうる課題や導入事例についても記載しているので、合わせてご覧ください。
目次
コロナ禍以降、多くの企業が取り入れているテレワークですが、ハイブリッドワークにシフトチェンジする企業が増えています。
まずは「ハイブリッドワーク」の概要について見ていきましょう。
ハイブリッドワークとは、一般的にテレワークとオフィスワークを選択できる働き方のことを意味します。
たとえば、週5日勤務のうち2日間は自宅で働き、3日間は出社しオフィスで働くというように、業務内容や自身の状況に合わせて柔軟な働き方を選択できるのが特徴です。
WeWork Japan 合同会社の「コロナ禍長期化における働き方意識調査2022」によると、ハイブリッドワークを認めている企業は全体の55.6%に上り、スタートアップに限定すれば62.1%と、自由な働き方が浸透しつつあるのが分かります。
ハイブリッドワークが認められていない企業でも、約半数の従業員が「認めてほしい」と感じていることから、自由なワークスタイルの需要が高まっていると言えるでしょう。
■参考記事
テレワークやってみた。自前のWi-Fiだとキケンがいっぱい?
コロナ禍でテレワークが急速に普及した結果、その利点とともに以下のような問題も明らかになってきました。
これらの問題により、多くの企業で出社することの重要性も改めて確認されています。
しかし、3密回避や従業員の自由な働き方など、テレワーク環境も必要であると判断された結果、両者を組み合わせたハイブリッドワークに注目が集まるようになりました。
ハイブリッドワークの導入によるメリットは以下の通りです。
順に見ていきましょう。
ハイブリッドワークでは、従業員が仕事内容や自身の状況に応じて、働く場所を選べるのが大きな特徴です。
個人で特定の仕事に集中したいときはテレワーク、コミュニケーションや共同作業が必要な業務はオフィスに出社するなど、それぞれが最適な場所で働くことが可能です。
従業員が最も集中できるようワークスタイルを最適化することで、生産性の向上が見込めるでしょう。
ハイブリッドワークは、テレワークとオフィスワークの良いとこ取りが可能なシステムです。
従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する信頼の度合いや、結びつきの強さを表す指数です。「従業員の、会社に貢献したいという意欲」と言い換えてもいいでしょう。
ハイブリッドワーク導入により、従業員は自分が最も効率的に働ける環境を選ぶことができ、「働きやすい」と感じることで愛社精神や仕事への意欲が高まります。
テレワークをしたい人、オフィスワークをしたい人両者の満足度を高められるため、従業員エンゲージメントの向上は、モチベーションアップや離職率の低下につながるでしょう。
テレワークを行う従業員が多いほど、オフィスにはスペースの余裕が生まれます。このスペースを活用することで、出社した従業員が働きやすいオフィススタイルを実現できます。
オフィス改革の具体的な例は下記の通りです。
固定席を持たないフリーアドレスは、他部署とのコミュニケーションの活性化につながります。
さらに、自由に使えるリフレッシュスペースを設置することで社員が適度に休憩でき、より業務に集中できるようになるでしょう。
また、1人から数人で使えるワークブースを設置すれば、周りに音が漏れにくいためテレワークをしている人とのWeb会議に便利です。
ハイブリッドワークを導入すれば、人材採用時に求職者の事情に左右されにくくなります。
「遠方に住んでいる」「子育て中」など、本来は自社に向かない事情を抱える人でも採用に至る可能性が高まるでしょう。そうなれば採用する人材の属性が偏らず、より多様な人材の確保が期待できます。
ワークライフバランスを重視する人が増えている昨今、自由な働き方ができる職場は、企業の評価を高めることにもつながります。
求人に対して、多様な人材からの応募があれば、応募の総数も増え、優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。結果的に自社の競争力向上にもつながります。
緊急時の被害を最小限に抑え、早期復旧、事業の継続を図るための計画を「BCP(事業継続計画)」といいます。
BCPは、自然災害やサイバー攻撃などにより、業務がスムーズに進められない状態を想定して作られます。
ハイブリッドワークを導入していれば、緊急時にも迅速な対処が可能になり、早期復旧を図ることが可能です。
また、自然災害によって出社が困難な場合は、テレワークに切り替えることで従業員の安全を確保できるでしょう。
自宅のパソコンやスマートフォンを使うことに対して、セキュリティの観点からリスクが高いと判断する場合は、重要な情報を取り扱う業務のみオフィスで行うといった対応ができます。
■参考記事
サイバーBCPとは?策定のための8ステップと対策方法を解説
ハイブリッドワーク導入には、メリットだけでなく、以下のようなデメリット・課題もあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハイブリッドワークでは、テレワークとオフィスワーク両方の勤怠情報を管理しなければならないため、管理者の負担が増えるケースがあります。
オフィスワークは従来のタイムカード形式で勤怠管理ができますが、テレワークは多くの場合で自己申告制になり、労働時間と実態の把握が難しくなります。
長時間労働や過少申告につながる恐れがあり、うやむやにしていると双方に不利益が生じかねません。
この機会に、「勤怠管理システム」の導入を検討してみるのも良いでしょう。
朝礼や終礼時に勤怠状況や業務状況を確認できる「Web会議システム」や、フリーアドレスのオフィス内で誰がどこで業務についているかが分かる「屋内位置情報ツール」なども便利です。
コミュニケーションロスとは、テレワークでコミュニケーションが不足することによって起こる、ミスやトラブルを指します。
テレワークの制度を活用するハイブリッドワークでも、少なからずコミュニケーションロスが生じるかもしれません。
オフィス内では気軽に従業員同士がコミュニケーションを取り合えますが、社外で勤務する従業員とは情報共有に問題が起こりやすくなります。
事前にどのような課題が発生しうるのかをイメージして、下記のような対策を講じ、適切なコミュニケーション手段を用意しましょう。
社外で仕事をするテレワークは、業務内容や業務量を人事担当者が把握しにくく、正しい評価が困難になるケースがあります。
テレワーク中心で業務に当たる従業員が不当な低評価を受けているとなると、組織に不平等感が広がり、社内の士気が下がりかねません。
「目標管理ツール」や「工数管理ツール」の導入を検討し、平等な評価ができるよう工夫しましょう。
オフィスワークでも、フリーアドレスで働いている人の状況が見えづらいという問題がありますが、上記のツールを導入すれば同様に問題の解消が可能です。
テレワークだけでなく、オフィスワークも平等に評価できるシステムを取り入れることが重要です。
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オフィスのICT環境が整っていなかったり、共通認識がずれていたりすると、ハイブリッドワークを導入しても継続が困難になるケースがあります。
以下を参考に、ハイブリッドワークに適した環境を構築しましょう。
ハイブリッドワークでは出社する従業員も一定数存在するため、オフィスでも働きやすい環境を整えることが重要です。
ハイブリッドワークにおけるオフィスは「仕事をする場所」であると同時に「従業員同士が集まる場所」という側面も強くなるため、居心地の良い環境を整備することが生産性の向上やコミュニケーションの活発化につながります。
ハイブリッドワークの導入によってスペースが余った場合、オフィスを縮小しても良いですが、コミュニケーションスペースの拡充に充てるという選択肢もあります。
個別ブースやリフレッシュスペースの設置、カフェスペースの充実なども、快適なオフィス環境を作る上で重要な役割を果たすでしょう。
出社に関してのルールがなければ、従業員によってはテレワークとオフィスワークのどちらか一方に偏りが発生する可能性があります。
あまりにもテレワーク利用者が多いと、組織への帰属意識が薄れてしまう可能性もあるため、ルールの制定は必須と言えます。
テレワークとオフィスワークのバランスが良くなるよう、勤務ルールを設けておきましょう。
ただし、家庭の事情でルールが負担になる従業員もいるため、規定は細かくしすぎず、ある程度の柔軟さを残しておくことが重要です。
会社全体ではなく部署やチームなどで従業員を分類し、小組織ごとにルール設計を行うと良いでしょう。
テレワークとオフィスワークによって情報格差が生まれないよう、下記のようなコミュニケーションルールを策定しておきましょう。
テレワークを行う従業員にとっては、相手が何をしているか分からないため、連絡をして良いのか迷うケースも珍しくありません。
あらかじめ連絡可能な時間帯を明らかにしておくと、コミュニケーションが取りやすくなります。
クラウドタイプのカレンダーツールを使い、組織全体でそれぞれのスケジュールを共有するのも一案です。
従業員ごとに働く環境が異なっても、適切なコミュニケーションや勤怠管理、人事評価などが行えるよう、必要に応じてICTツールの導入を検討しましょう。
下表は、代表的なツールを目的別にまとめたものです。
目標管理 | リモート、オフィスで情報格差が生まれないよう、目標と進捗状況がリアルタイムで共同できる 例:HiManager、Goalous、Trelloなど |
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Web会議 | どこで仕事をしていても会議に出席でき、コミュニケーション不足を防げる 例:Zoomミーティング、Microsoft Teams、Gatherなど |
チャット | 気軽なメッセージで、相手の状況に関わらずコミュニケーションが図れる 例:Chat Work、slack、Discordなど |
勤怠管理 | ハイブリッドワークで複雑になる退勤状況を管理し、管理者の負担を軽減できる 例:KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理など |
ICT最適化 | ハイブリッドワークを無理なく継続できる環境が重要であり、ICTの最適化で働きやすい環境が構築できる 例:FLESPEEQ Web Access、FLESPEEQ Mobile |
【PR】また、ハイブリットワークには「メタワーク Oasis」がおすすめです。
Oasisは、リモートワークとハイブリッドワークにおすすめのバーチャルオフィスツールです。
バーチャルオフィスとは、インターネット上に作られた仮想空間上のオフィスのことを言います。
誰と誰が会話しているか、今離席しているのかがリアルタイムで共有できるため、まるで実際のオフィスで働いているような環境を構築できる点が魅力の一つです。
Oasisを利用すれば気軽な相談やミーティングがおこなえるため、コミュニケーションの活性化が実現可能となります。
テレワーク時には、社内のパソコンや資料を持ち出す機会が多くなるため、紛失や盗難によって情報流出のリスクが高まります。適切な対策を講じておきましょう。
また、社外でパソコンやモバイル端末を使って仕事をする際にフリーWi-Fiを利用すると、サイバー攻撃の対象になる危険があるので注意が必要です。
これらのITリスクの対策には、社内端末にウイルス対策ソフトを導入したり、端末消失時に遠隔操作で機密情報を消去できるツールを使用したりすると良いでしょう。
暗号化した通信で、傍受やデータの流出を防ぐVPNサービスを導入するのも効果的なセキュリティ対策です。
ただし、セキュリティレベルが低く粗悪な製品もあるため、信頼できるベンダーが提供するVPNサービスを利用することが重要です。
外出先でのデータ通信や端末の取り扱いなど、従業員に対するセキュリティ教育も同時に行いましょう。
■参考記事
VPNの構築方法を徹底解説!導入のために用意すべきものも紹介
日本通信ネットワークのICTサービス「FLESPEEQ」を活用し、ハイブリッドワークを導入された企業様の事例を2つご紹介します。
以下の成功事例を参考に、自社に適したハイブリッドワーク環境をご検討ください。
5つの拠点を構える製造業A社様には、下記のような課題がありました。
これらの課題解決のため、情シス担当者のいないオフィスでも安心してご利用いただける「FLESPEEQ Web Access」の導入をご提案しました。
「FLESPEEQ Web Access」は、クライアントソフト、ルータ、クラウドコントローラーをまとめてご提供するため、機器ごとに設定やセキュリティ対策をする必要がありません。
スムーズな導入・運用が可能なため、導入後すみやかにテレワークの実施につながりました。
オフィスワークとテレワークが選べることで生産性が向上し、従業員の満足度も高まったとのお声をいただいております。
フルリモートで業務を行う情報通信業のB社様では、下記のようなことが課題になっていました。
以上の課題解決のため、ご利用環境に合わせた機器を3タイプからお選びいただける「FLESPEEQ Wi-Fi」の導入をご提案いたしました。
「FLESPEEQ Wi-Fi」は、ビジネスWi-Fiをクラウドから設計構築、運用するネットクラウドサービスで、あらゆるオフィスの通信環境を安全で快適に運用します。
B社様からは、オフィス内ではWi-Fi利用を基本とすることでフリーアドレス制度が導入でき、オフィススペースの有効活用もできたとのお声をいただいております。
ハイブリッドワークは、社内外どこからでも業務に当たれるメリットがありますが、ワークスタイルの偏りやコミュニケーション不足、セキュリティリスクなどが問題になるケースもあります。
ハイブリッドワークを成功させるためには、出社ルールの策定や運用ツールの活用、オフィスの最適なICT化が重要です。
日本通信ネットワークが提供する「FLESPEEQ Web Access」は、初期設定から障害対応、テクニカルサポートも含む手厚い運用サービスで、情シス担当者がいない企業様でも安心してご利用いただけます。
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