社内にWi-Fi環境を構築するうえで、「ルーター1台でまかなえるのか」「何台まで接続できるのか」など疑問に思う方もいるでしょう。
Wi-Fiルーターは、一般的に1台に複数のデバイスを接続することが可能ですが、同時に接続する台数には制限があります。
接続台数に対してスペックが足りなければ安定した通信が行えないため、オフィスで利用する場合には同時接続台数を意識してルーターを選びましょう。
この記事では、Wi-Fiルーターの同時接続台数の目安について解説するとともに、接続台数の確認方法や台数を増やす方法もまとめています。最適なWi-Fiルーターが選べるよう、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
Wi-Fiルーターは、一つの機器で複数台の端末(パソコンやスマートフォンなど)を接続できるのが一般的です。この接続可能な端末数のことを「同時接続数」といい、接続できる台数の目安を表しています。
最大同時接続数が多いWi-Fiルーターほど、1台で多くの端末と接続できるため、費用対効果が高いといえるでしょう。
同時接続数は、Wi-Fiルーターの機種によって異なるため、利用状況に合わせて選ぶ必要があります。たとえば、NECのAtermPA-WX5400HPは36台、ELECOMのWMC-2LX2-Bでは50台となっています。
接続する機器のスペックにもよりますが、ほとんどの場合、最大接続台数を超えてしまうとWi-Fiに接続できなくなります。
Wi-Fiルーターに同時接続できる台数が多いと、1台のルーターでネットワーク環境を構築できるといったメリットがあります。一方で、同時接続台数を増やすと、通信速度が低下しやすいというデメリットもあります。
以下、Wi-Fiルーターの同時接続数が多いことのメリットとデメリットを、それぞれ見ていきましょう。
同時接続台数が多いと、1台または少数のWi-Fiルーターでネットワーク環境を構築できるため、以下のようなメリットを得られます。
何台ものルーターを管理しなくてよいので、機器のアップデートやメンテナンスの回数を少なく抑えられることも利点です。
一般的に、接続台数が多いと対応範囲が広くなる傾向があるため、広い範囲をカバーすることが可能です。
同時接続台数が多い状況では、以下のようなデメリットが発生することがあります。
Wi-Fiルーターは、回線を分けてそれぞれの端末を接続しているので、通信レベルを担保するために、同時に接続できる台数に上限が設定されています。そのため、接続台数が多いと、上限に満たない場合であっても、接続デバイスのスペックによっては通信が不安定になることもあります。
推奨接続台数を超えた場合でも接続できるケースがありますが、本来のルーターのスペックを超過するため、大きく通信速度が低下する原因になるでしょう。
また、ルーターの規格にスマホやタブレット端末が対応していない場合にも、本来の通信速度を維持できないケースがあるため注意が必要です。
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同時接続台数を超過していたり、上限ギリギリまで接続したりしていると、通信が安定しなくなることがあります。通信速度が遅いと感じる場合は、接続している台数を確認してみましょう。
機器ごとに確認方法が異なるため、ここでは一般的な手順を解説します。ルーターの最大同時接続台数(スペック)についてはメーカーの公式サイトでご確認ください。
パソコンを用いて、一般的なメーカーの設定画面で調べる方法の手順は以下のとおりです。
Wi-FiルーターのIPアドレスは、セットアップ用の説明書などに、ログイン情報とともに記載されています。
ChromeやEdgeなどのウェブブラウザでURL欄にIPアドレスを入力し、ログイン画面が表示されたらユーザー名とパスワードを入れてログインしてください。
設定画面では、接続デバイスがIPアドレスで表示されているため、現在の接続台数や状況を確認できます。
スマートフォンで確認する際は、ブラウザやアプリを用いて確認するとよいでしょう。ELECOM「らくらくコントロール」、BUFFALO「AirStation」、NECAterm「Atermスマートリモコン」など、各メーカーが専用アプリを提供しています。
メーカーごとに異なりますが、一般的な確認手順は以下のとおりです。
アプリを開くとログイン画面になるので、ユーザー名とパスワードを入れて設定画面を確認します。確認すべき項目の名称は、各メーカーの説明書などを参考にしてください。
これらの専用アプリのほか、「Fing(フィング)」のようなネットワークのあらゆる状況が調べられるネットワークツールアプリを活用するのも一つの方法です。
Wi-Fiルーターの同時接続台数が足りない、一定の数を超えると通信が安定しないという場合は、同時接続台数を増やす必要があります。
同時接続台数を増やす方法はいくつか考えられるため、以下の方法を参考に適した手段を選ぶとよいでしょう。
Wi-Fiルーターは、性能が高いほど最大同時接続数が増えるため、よりハイスペックな機器に乗り換えることで同時接続台数が増やせます。
高性能なルーターが1台で必要な同時接続数をまかなえれば、複数台のWi-Fiルータを設置することで起こりがちな電波干渉のリスクを抑えることが可能です。端末によって無線と有線を選別する必要もないので、最も手軽な方法といえるでしょう。
ただし、Wi-Fiルーターの性能は価格と比例するため、必要以上に高性能なものを選ぶと予算をオーバーしてしまう可能性があります。
また、高性能なルーターであっても、スペックの上限ギリギリまで端末を接続すると通信速度が低下する可能性があるため、接続端末数がルーターの性能に対して多い場合はWi-Fiルーターを複数台そろえることも検討してください。
Wi-Fiルーターを追加で購入し、複数台のWi-Fiルーターを使用する方法で、同時接続台数を増やすことが可能です。たとえばWi-Fiルーターの最大同時接続数が10台でも、機器が2台に増えれば接続可能数が倍になります。
ただし、あまり近い距離に複数台のWi-Fiルーターを設置すると電波干渉を起こす可能性があり、通信速度の低下や通信障害などのリスクが高まるので注意しましょう。
また、Wi-Fiルーターを複数台購入すると、費用が高額になりがちなので、高性能ルーターのスペックに収まる範囲内であれば、1台にまとめるのがおすすめです。
Wi-Fiルーターに接続するデバイスの数が最大同時接続数ギリギリといった状況で、通信速度が低下する可能性がある場合、端末ごとに無線、有線接続を選別するのも一案です。
たとえば、デスクトップパソコンは有線で接続し、モバイル端末のみ無線接続にすれば、Wi-Fiを利用できる台数に余裕が生まれるので、通信速度が安定する可能性があるでしょう。
ただし、Wi-Fiルーターの最大同時接続数はあくまで目安なので、場合によってはデバイスの接続方式を有線に替えても効果が出ないケースもあります。
Wi-Fiルーターに複数の端末を同時接続する場合、ルーターの性能や設置場所によっては、十分な通信の質を確保できない可能性があります。
ここでは、同時接続する際の注意点として、3つの項目を見ていきましょう。
同時接続台数の多いWi-Fiルーターでも、接続端末を上限近くまで増やすと、通信速度が低下する可能性があります。
安定した通信のためには、同時接続数に対して実際に接続するデバイスの数に余裕を持たせることが大切です。接続台数を抑えればスペックに余裕が生まれ、通信速度低下に陥るリスクを抑制できます。
目安としては、「Wi-Fiiルーターの同時接続数」>「ルーターに接続する端末台数× 2」程度に抑えるのがおすすめです。
たとえば、同時接続台数が20台のWi-Fiルーターに対し、接続端末数が10台程度であれば安定した通信が実現できるでしょう。
中継器は、Wi-Fiの通信範囲を拡大するための機器で、ルーターから離れた距離でも通信速度の低下を抑えられる便利なアイテムです。
ただし、この中継器を設置しても、Wi-Fiルーターの同時接続数を増やすことはできません。
中継器は、あくまでも電波を拡張するのが役割なので、中継器そのものから電波が発信されるわけではありません。
最大同時接続数を増やすには、前述した高性能機器への乗り換えや機器の追加などの方法を活用しましょう。
複数台の端末をWi-Fiルーターに同時接続する際は、機器の設置場所に気を配る必要があります。
WiFiルーターから発せられる電波はルーターを中心として円形に広がっていきます。中心部分の近くで使えば問題ないものの、円の端の方で受信してしまうとつながりにくくなります。
また、Wi-Fiルーターは少し高い場所に設置すると電波が届きやすくなる特徴があるほか、機器を棚の中や電子レンジの近くに置くと、電波干渉や妨害を受けやすくなります。
周波数が切り替えられるバンドステアリング機能や、端末に向けて電波を出すビームフォーミング機能があると、これらの障害を受けにくくなるでしょう。
一般的に、1台のWi-Fiルーターに対して複数の端末を接続することが可能ですが、接続する台数が多すぎると、通信が安定しなくなることがあります。
オフィスにWi-Fi環境を構築する場合は、接続する台数やオフィスの規模などに合わせて最適なルーターを選びましょう。
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