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2024.07.03

VPNは常時接続すべき?しない場合のリスクや常時接続したいケースを解説

VPNを導入したものの、常時接続しておくべきか、状況によってはオフにしてもよいのか、お悩みではありませんか?

VPNは安全な通信環境を実現しますが、暗号化に伴う通信の遅延や、特定のサイトが閲覧できないといった問題が発生することもあり、常時接続するべきか悩む方は少なくありません。

そこで今回は、VPNを常時接続しない場合のリスクや、常時接続するべきケースについて解説します。

パソコン・スマホでの設定方法や、接続をオフにしても良いシーンなどにも触れているのであわせてご覧ください。

 
関連記事:VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?仕組みや活用シーンを紹介

 

VPNは常時接続すべき?

VPNは常時接続すべき?のイメージ

セキュリティ対策の観点から、VPNは基本的に常時接続しておくべきだといえます。

常に接続された状態を維持することで、ネットワークセキュリティやプライバシーが確保され、大切なデータを盗聴や傍受などから保護できます。

特に「外出先で公衆Wi-Fiを使用する」「機密情報を送信する」といった、リスクが高まるシーンでは、VPNを常時接続しておいたほうがよいでしょう。

ただし、大容量ファイルのダウンロードといった通信速度を重視する場面では、VPNが使い勝手を悪くすることもあります。

そのため、基本は常時接続しておき、状況に応じて接続をオフにするような柔軟な使い方が理想的です。

 

VPNを常時接続しない場合のリスク

VPNを常時接続しない場合のリスクのイメージ

VPNを常時接続しない場合、ネットワークの利用状況によっては次のようなセキュリティリスクが高くなります。

  • データ暗号化が機能しない
  • IPアドレスを特定される可能性がある
  • マルウェア感染のリスクが高まる
  • 地域制限のコンテンツにアクセスできない

リスクを正しく把握したうえで、VPNを接続するタイミングや業務内容を決めてください。

以下では、それぞれのリスクについて詳しく解説します。

 

データ暗号化が機能しない

VPNがオフになると、VPNの基本機能であるデータの暗号化が作動しなくなります。

そうなると、個人情報をはじめとする重要なデータが保護されず、第三者によるデータの盗聴、改ざんなどのリスクが高まるでしょう。

最悪の場合は、機密情報の漏えいやプライバシーの侵害など、企業が社会的責任を問われる事態にも発展しかねないため注意が必要です。

 

IPアドレスを特定される可能性がある

VPNが常時接続状態であれば、インターネット接続時にIPアドレスが秘匿化されるため、アクセスしている地域やネット上の行動を隠すことが可能です。

しかし、VPNがオフになるとIPアドレスが露出されるため、トラッキングされてIPアドレス情報から個人が特定されるかもしれません。

そうなれば、なりすましや不正アクセスといったサイバー攻撃を受けるリスクが高まるでしょう。

 

マルウェア感染のリスクが高まる

基本機能の一つとして、データの暗号化のほかに、ウイルスなどのマルウェア対策機能を提供しているVPNサービスは多く存在します。

しかし、VPN接続が遮断されるとそれらの機能が作動せず、端末をマルウェアの脅威から守れなくなるリスクがあります。

端末がマルウェアに感染した場合、データの改ざんや紛失だけでなく、インターネットに接続できなくなり、盗んだ情報を対価に金銭を要求されるなどのトラブルが生じるでしょう。

 

地域制限のコンテンツにアクセスできない

VPNをオフにすると、IPアドレスが露出するため自分の位置情報がわかってしまい、制限がかかっている地域限定コンテンツへのアクセスがブロックされてしまう可能性があります。

これはジオブロックとも呼ばれ、著作権や法律に基づくコンテンツ内容の改変など、さまざまな背景を理由に動画配信サービスやWebサイトで行われています。

ビジネスシーンでは、資料作成のために海外の論文や研究資料を探したり、海外のリサーチ会社の調査結果を探したりといった行為ができなくなるケースがあるでしょう。

 

VPNを常時接続したほうが良いケース

VPNを常時接続したほうが良いケースのイメージ

以下のようなケースでは、VPNの常時接続が推奨されます。

  • 公衆Wi-Fiを使用するとき
  • 外部に重要な情報を送信するとき
  • 規制が厳しい環境でインターネットを利用するとき
  • 海外のコンテンツを閲覧するとき

具体的な活用シーンを把握し、自社の業務内容と照らし合わせて常時接続する状況を見極めましょう。

 

公衆Wi-Fiを使用するとき

公衆Wi-Fiは、コンビニやカフェ、公共施設などで使用できるので便利ですが、なかには安全でないものも存在するため注意が必要です。

安全性の低いネットワークをVPNなしで使用した場合、アクセスポイントを設置した人物に通信データを盗み見されるケースがあります。

また、悪意のある第三者と同時に接続してしまうと、銀行口座やクレジットカード情報などの重要なデータが漏えいする危険性も考えられるでしょう。

VPNを常時接続しておけば常に通信内容を暗号化できるので、万が一不正にアクセスされて通信をのぞかれても、重要な情報を保護できます。

 
関連記事:Wi-Fi利用時にVPNは必要?リスクと解決策を紹介

 

外部に重要な情報を送信するとき

ビジネスで顧客や勤務先とやり取りする際には、重要情報を取り扱う機会が頻繁にあるため、情報漏えいのリスクに注意しなければなりません。

機密情報が流出すると、経営に金銭的なダメージを与えたり社会的な信用を失ったりする可能性があり、想定される損害は甚大です。

そのため、重要なデータを送信する際には、通信を暗号化して安全にやり取りできるよう、VPNを常時接続し、オフにすることのないようにしましょう。

 

規制が厳しい環境でインターネットを利用するとき

中国やロシアなど、一部の国ではインターネットの利用に厳格な規制を設けているケースがあります。

出張でこのような国に出向く場合でも、VPNに常時接続していれば自由にウェブコンテンツが閲覧できるでしょう。

ただし、国外のインターネットは接続が不安定になることも多く、何らかの理由でVPNが切断されてしまう可能性も考慮しなければなりません。

また、国によってはVPNの使用自体が違法になるケースもあるため、あらかじめ調べておきましょう。

VPNのなかには、VPN接続が突然停止した場合にインターネット接続をシャットダウンする「キルスイッチ機能」を持つものもあるので、リスク回避のためにVPNを有効にし、常に接続を監視しておくのが望ましいといえます。

 

海外のコンテンツを閲覧するとき

他国でWebサービスを利用する、または日本国内で地域制限のあるコンテンツを閲覧する場合に、ジオブロックを回避できる点もVPNのメリットです。

VPNはIPアドレスを隠せるだけでなく、別の国からアクセスしているように見せかけることも可能です。

たとえば、中国にいながら日本から接続しているように装うなど、海外から日本のコンテンツを視聴する場合にも規制の影響を受けずスムーズにアクセスできます。

 

VPNを常時接続する方法

VPNを常時接続する方法のイメージ

ビジネスで使用するデバイスはすべてセキュリティ対策をする必要があるため、パソコンだけでなくスマホもVPNに常時接続しておきましょう。

以下、スマートフォン、パソコンでVPNに常時接続する方法を紹介します。

 

スマートフォンの場合

スマートフォンでVPNを常時接続する場合、iPhoneでもandroidでも操作手順に大きな違いはありません。一般的な設定方法は以下のとおりです。

  1. 設定画面を開く
  2. [VPN接続]の項目に登録してあるVPNから接続先を選択
    (未登録であればVPNサーバーを追加)
  3. [自動接続]オフの状態を常時接続に切り替え設定を完了する

アクセスの多い時間帯には接続しにくいこともありますが、設定後にスマホの画面上部にVPNアイコンが表示されれば接続成功です。

このほか、スマートフォンではGoogleOneをはじめとするVPNアプリを用いて接続設定することもできるので、使用するサービスごとに適切な方法で接続してください。

VPNアプリには完全無料のものがありますが、安全性が低いケースがあるので注意が必要です。

 

パソコンの場合

設定の手順はOSやバージョンによって多少異なるので、詳細は各OSの公式サイトなどをご覧ください。パソコンでの一般的な設定方法は以下のとおりです。

  1. VPNの設定画面にアクセスする
  2. [ネットワークとインターネット > VPN > VPNを追加]でVPNを追加
  3. アクションセンターから追加したVPNを有効にする

VPNの設定は、必ずパソコンがインターネットに接続されている状態で行ってください。

従業員が各自で接続設定を行う場合は、操作手順などの問い合わせに対応できるよう、社内のサポート体制を整えておきましょう。

 
関連記事:VPN接続のやり方をOS別に解説!Windows11にも対応

 

VPNの常時接続をオフにしたほうが良いケース

VPNは、原則として常時接続しておくべきですが、下記のようなケースでは、一時的にオフにする必要があるでしょう。

  • インターネットの通信速度が不安定なとき
  • 強固なセキュリティ環境で作業を行っているとき
  • VPNが原因で特定のコンテンツにアクセスできないとき

ただし、VPNの接続を遮断するとリスクが高まるため、セキュリティ状況を確認したうえで実施してください。

 

インターネットの通信速度が不安定なとき

VPNを使用すると、暗号化のための処理で負担がかかることから、通信速度が低下しやすくなります。

VPN接続時にインターネットの通信速度が不安定な場合は、いったんVPNの接続をオフにして、目的が完了したら常時接続に戻しましょう。

また、大容量ファイルの送受信やダウンロード時にも、ある程度の通信速度が求められるため、通信に時間がかかるようなら一度VPN接続をオフにするのも一案です。

ただし、インターネットの速度そのものに原因がある場合は、VPNをオフにしても改善は期待できません。

 
関連記事:VPNのメリット・デメリットを解説!問題点を知って適切なサービス選びを

 

強固なセキュリティ環境で作業を行っているとき

強固なセキュリティ対策が施されたオフィスで仕事をしているのであれば、VPN接続をオフにしても影響は少ないと考えられます。

安全性の高いセキュリティ環境では、むしろVPNをオフにした方がスムーズにインターネット接続が行えるため、仕事の効率が高まる可能性があるでしょう。

テレワークや外出時など、セキュリティレベルが低い状況でインターネットを使用する際と上手く使い分けることが大切です。

オフィスのネットワークセキュリティの環境に合わせて、オフィス以外では必ずVPNに常時接続するといったルールを決めておくのもよいでしょう。

 

VPNが原因で特定のコンテンツにアクセスできないとき

Webサイトやオンラインサービスのなかには、そもそもVPNでの接続を遮断し無効にしているケースがあります。

もしVPN接続時に特定のコンテンツにアクセスできないようなら、一度接続をオフにしてみるのもよいでしょう。

アクセスできない原因は、使用中のVPNサーバーがブラックリストに載っている、短時間のうちに複数の国のサーバーからアクセスしているといった理由が考えられます。

VPNサーバーを変えるとアクセスできるケースがあるので、利用しているサービスを見直すのもおすすめです。

 

(まとめ)VPNを常時接続させてセキュリティリスクに備えよう

FLESPEEQ VPNの全体イメージ

VPNは、通信を暗号化し外出先でも安全にデータのやり取りができるため、常時接続しておくのが一般的です。

ネット環境や作業内容によってはVPN接続が負担になるケースもありますが、セキュリティレベルの低い通信環境では常時接続してリスクに備える必要があります。

FLESPEEQ VPNはIPoE(IP over Ethernet)方式を採用しており、網終端装置を経由せずに直接接続するため、通信速度が速く混雑に強いのが特徴です。

通信キャリアの閉域網内に仮想の専用線を構築するため、不安定なインターネットの影響を受けません。

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