社内ネットワークのセキュリティ対策として、VPNとプロキシのどちらを導入するべきかお悩みではありませんか?
VPNとプロキシは、どちらもネットワーク上のプライバシーを保護する技術ですが、機能や特徴がそれぞれ異なります。
自社が求めるセキュリティレベルに適した機能がなければ、せっかく導入しても効果が得られないため、2つの違いについて理解を深めておきましょう。
この記事では、VPNとプロキシの違いを解説するとともに、それぞれが向いているケースについても紹介しています。ぜひ、セキュアなネットワーク環境を構築するうえでの参考にしてください。
目次
VPNとプロキシは、どちらも社内ネットワークとインターネットの中間に用いる技術ですが、その性質は大きく異なります。
匿名性があり、プライバシーやセキュリティを高める点では似ていますが、それぞれに適した用途があるので、違いを知っておきましょう。
VPN(Virtual Private Network)とは、仮想の専用ネットワークを構築したうえで、どこから接続しても安全にインターネットなどの別のネットワークへ接続できる技術です。
VPNを利用すると、データのやりとりが全て暗号化されます。
また、パケットに付与したデータで中身を覆い隠すカプセル化や、不正アクセスを防ぐ認証など、複数の機能が搭載されています。
VPNは、安全性と匿名性が高くなる一方で、利用する際にソフトウェアやサービス費用がかかるのが一般的です。
無料で利用できるサービスもあるものの、通信速度が遅い、セキュリティ性能に問題があるなどの弱点を抱えていることも少なくありません。
関連記事:VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?仕組みや活用シーンを紹介
プロキシとは、プロキシサーバーと呼ばれる仲介サーバーを経由してインターネットに接続する方法です。
これにより、ユーザーが保有する本来のIPアドレスが隠蔽された状態になるため、コンテンツの制限や、監視を回避することができます。
また、誰がどんなサイトを閲覧したかといったログ情報の集約や、プロキシ上でのウィルスチェックなど、安全性を高める仕組みがあるのも大きな特徴です。
ただし、プロキシサーバーでは閲覧情報だけでなく機密性の高いデータも中継されるので、セキュリティリスクに注意しなければなりません。
万が一、悪意を持って設置されたプロキシサーバーに接続してしまうと、パスワードや機密データなどの情報を抜き取られてしまう可能性があります。
VPNとプロキシの大きな違いはインターネットへの接続プロセスにあります。この違いにより、それぞれができることも異なります。
たとえば、VPNの場合はすべてのトラフィックが暗号化されますが、プロキシはプロキシサーバー経由でIPアドレスをうやむやにするだけなので、トラフィックのすべてを暗号化することはできません。
また、OSレベルで暗号化を実施できるVPNに対し、アプリケーションベースで動作するプロキシは、Webブラウザ利用時や特定のアプリ以外のトラフィックは暗号化できないといった難点もあります。
多くのVPNサービスがログを残していないのに対し、プロキシではユーザーのログが第三者に提供されるケースもあるため、企業で使用するネットワークの機密性や安全性を担保するなら、VPNのほうが安心といえるでしょう。
VPNとプロキシには前述のような違いがあるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。
自社の要件に適していなければセキュリティリスクを上げてしまう可能性があるので、それぞれが向いているケースを確認し、最適な方法を選択しましょう。
VPNは、ネットワークのセキュリティを高める目的で使用するのが向いているでしょう。
トンネリングやカプセル化、認証など、セキュリティレベルを向上させるための機能が充実しているため、IPアドレスを隠すことが主な役割のプロキシに比べて安全性が高いといえます。
データを暗号化しながら高速通信を実現できるのも魅力で、セキュリティを強化しつつも通信品質を担保できるという強みがあります。
そのため、企業のセキュリティ対策としてVPNとプロキシのいずれか一方を選択するのであれば、VPNの方がおすすめです。
プロキシは、IPアドレスを隠蔽した状態でインターネット利用ができるため、海外限定のWebサービスを利用する際などに役立ちます。
たとえば、動画視聴サービスで特定の地域限定で配信されている映画が観たい場合、日本からアクセスしても拒否されてしまいます。
このような場合にプロキシ経由でアクセスすれば、IPアドレスを隠してインターネット利用できるため、問題なく視聴できるようになるでしょう。
ただし、プロキシサーバーそのものに脆弱性があったり、悪意のあるサーバーが存在したりするため、情報漏洩リスクがある点には注意が必要です。
高い機密性が求められる企業のセキュリティ対策としては、プロキシだけでは不十分といわざるを得ないため、前述のとおりVPNを検討するのがおすすめです。
VPNとプロキシは併用できますが、次のようなデメリットが生じるので注意してください。
プロキシとVPNを同時に起動すると、プロキシサーバーとVPNサーバーの両方を介してデータ通信を行うことになります。
ネットワークに仲介者が追加されるため通信速度が低下しやすく、併用によって得られるメリットもとくにありません。
このように、接続の手間や通信品質の面でデメリットが多いため、VPNとプロキシは併用しない方がよいでしょう。
VPNやプロキシは、どちらも社内ネットワークのセキュリティ対策として考えられる手段です。
VPNが通信を暗号化する一方で、プロキシは暗号化できないうえ情報漏洩リスクがあるため、企業のセキュリティ対策で活用する場合はVPNを選択する方が安心でしょう。
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