セキュリティ 2025.12.01
2025.10.17
セキュリティ
ネットワーク構築

近年、企業のセキュリティ環境強化にあたり、ゼロトラストやSASE(サシー)といった考え方が注目されています。
これらは、従来の境界型モデルのセキュリティ対策とは異なる特徴を持っているので、導入の前に理解を深めておきましょう。
この記事では、ゼロトラストとSASEの概要や、導入のメリットについて詳しく解説しています。

クラウド利用やリモートワークが広がる中、企業のセキュリティ対策は、従来のモデルからの転換を迫られています。
そこで注目されているのが、以下の2つの概念です。
どちらも安全なアクセス環境を実現するためのキーワードとして語られますが、それぞれ異なる性質を持ちます。
ゼロトラスト(Zero Trust)とは、「社内ネットワーク=安全」という発想を捨て、「何も信用しない」ことを前提とするセキュリティモデルです。
ゼロトラスト・アーキテクチャ(ZTA)とも呼ばれ、ネットワークセキュリティにおける新しいフレームワークとして注目されています。
従来のセキュリティは「安全な社内ネットワークと危険な社外ネットワーク」という前提に基づき、境界にファイアウォールなどを設置する「境界型セキュリティ」が主流でした。
しかし、近年テレワークやクラウドシステムの普及によって境界が曖昧になり、境界型セキュリティでは十分な効果が得られなくなっています。
一方でゼロトラストは、ネットワークの内外を区別しない、すべてのアクセスを信用せず、常に確認・認証・認可を行うという考え方のため、現代企業のセキュリティ対策に適しているといえます。
参考記事:ゼロトラストネットワークとは?従来のセキュリティとの違いやメリットを解説
SASE(Secure Access Service Edge)とは、クラウドベースのネットワーク機能と、セキュリティ機能を統合して提供するセキュリティネットワークの概念です。
一般的にはフレームワーク、サービスの形で実装されます。
2019年にガートナー社のニール・マクドナルド氏によって提唱されました。
主にセキュリティサービスエッジ(SSE)とソフトウェア定義型広域ネットワーク(SD-WAN)で構成されているのが特徴です。
これにより、場所やデバイスを問わず、データ、アプリケーションへのアクセスを保護できます。
ゼロトラストはセキュリティにおける「考え方や方針」であり、SASEは「その考え方を具体的な技術やソリューションとしてどう実現するか」を示すものです。
両者は補完関係にあり、分散・クラウド化したIT環境のセキュリティ対策においてセットで語られることが多いです。
参考記事:SASEとは?注目を集める理由や構成要素、導入するメリット・注意点を解説

ゼロトラスト環境を実現するためには、次のように複数のソリューションを導入し、階層的にセキュリティ対策を行う必要があります。
しかし、これらを別々に導入・運用すると、管理負担が大きくなり、コスト増やシステムの複雑化につながるケースは少なくありません。
SASEを活用すれば、ネットワークとセキュリティを一元管理できるため、複数のシステムを個別に運用する必要がなく、負担を大幅に削減できます。
また、メンテナンスやアップグレードへの対応もSASEベンダーが代行するため、IT部門のリソースをメイン業務に集中させることが可能です。
ゼロトラストの要となるアクセス制御や認証もクラウドサービスに統合されているので、分散環境でもセキュリティ基準の統一が図れます。
ゼロトラスト環境では、社内ネットワークにおいても『確認・認証・認可』のプロセスを踏む必要があります。
そのため、セキュリティが強化される一方、通信回数やデータ検証の処理が増加し、ネットワークやデバイスにかかる負荷が高まる可能性があります。
こうした負荷の増大は、ネットワークの輻輳(ふくそう)や通信遅延を引き起こし、結果として業務効率を下げる要因になりかねません。
安定した接続・処理速度を維持しながらゼロトラストを実現するには、SASEのSD-WAN機能が効果的です。
SD-WANは、アプリケーションごとに最適な経路を自動選択し、重要な通信を優先制御することで、ネットワークのパフォーマンスを改善し、通信遅延や回線の混雑を防ぎます。
このようにSASEを活用すれば、快適なネットワーク環境とゼロトラスト環境の両立が可能です。
さらにクラウドベースで拡張性が高いため、ユーザーの追加や利用範囲の拡大にも柔軟に対応できます。
ユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、安全かつ快適に業務を進められるため、生産性や従業員の満足度向上にもつながります。
総務省が行った「令和6年通信利用動向調査の結果」によると、令和6年の時点で、企業の約50%がテレワークを導入しています。
テレワークは場所を選ばずに業務が行える反面、情報漏洩や悪質なアプリケーションによるマルウェア感染の恐れが課題になりがちです。
SASEの機能の一つであるCASBを活用すれば、クラウド上の権限管理やデータ漏洩の危険を検知してデバイスを保護できるため、効率的にセキュリティを向上させられます。
また、別の機能であるSWGを用いれば、URLフィルタリング、アクセス制限といった対策も可能です。
一元化されたプラットフォームによって、複数のセキュリティツールを個別に運用する手間がなくなるため、設定ミスや複雑な操作を減らせます。
これにより、情報の流出や外部からの不正アクセスを防ぎ、企業全体のセキュリティレベル向上に寄与します。

ネットワークを取り巻く環境は変化し、テレワークやクラウドサービスの普及で、既存の境界型セキュリティ対策では対応が難しくなっています。
ネットワークの内と外が曖昧になる中で、すべてのアクセスを信用しない「ゼロトラスト」という概念が注目されています。
このゼロトラストを実現するために有効なのが、ネットワークとセキュリティ対策をまとめて提供するクラウドサービス「SASE」です。
SASEによるゼロトラスト環境の構築は、安全なネットワークと快適な作業環境、管理負担の軽減を実現します。
「FLESPEEQ Web Access」は、企業に最適なゼロトラスト環境を実現するネットワーク接続サービスです。
SASE機能、リモートアクセスVPN、拠点間VPNなど、目的に応じて構築できるため、自社にあわせたネットワーク環境を柔軟に構築できます。
設定変更、障害対応など、日々の運用と管理をセキュリティの専門家が代行。
特別なスキルやリソースを必要とせず、高品質なネットワークセキュリティの運用が可能です。
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