Wi-Fiを導入する際には、その脆弱性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
重大なセキュリティ事故につながる可能性もあるため、事前にWi-Fiの脆弱性やリスクを確認しておきましょう。
この記事では、Wi-Fiの脆弱性と、それによって引き起こされるセキュリティリスクについて解説しています。
Wi-Fiの脆弱性への対策方法もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
Wi-FiはデバイスをLANケーブルでつなぐ必要がないため、社内のどこからでもネットワーク接続できるメリットがありますが、さまざまな脆弱性が報告されています。
例えば、暗号化の方式によってはセキュリティレベルが低くなるほか、ファームウェアのアップデートが不十分であるとリスクにさらされることもあります。
中にはセキュリティ機能を悪用されるケースもあるため、脆弱性について理解を深めておきましょう。
Wi-Fiの暗号化とは、インターネット上でやり取りするデータを暗号化し、第三者が解読できないようにする技術です。
暗号化には複数のセキュリティ規格がありますが、主にWEPやWPA、WPA2、WPA3の4種類の形式が用いられます。
WEP | 最初に登場したセキュリティ規格で、容易に復号・解読できるため、セキュリティレベルが低い |
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WPA | WEPのデメリットを解消する形で登場したが、パスワードを容易に取得・リセットでき、複数の脆弱性が発見される |
WPA2 | 2020年代の主流で、WPAよりもセキュリティが強化されている |
WPA3 | 2024年現在最新のセキュリティ機能で、WPA2の弱点を補う |
2020年代から、より復号が困難なWPA2が登場し、2024年現在ではWPA3が最新のセキュリティ機能として採用されています。
Wi-Fiのファームウェアとは、Wi-Fiルータ(無線LANルータ)を動作するうえで必要になるソフトウェアのことで、本体のプログラムや各種セキュリティ機能を管理する役割があります。
Wi-Fiの脆弱性に対処するには、ファームウェアの更新ファイルをインストールして最新のセキュリティへアップデートする必要があります。
しかし、そのファームウェアアップデートそのものが、第三者の侵入口になる可能性もあるので注意しなければなりません。
Wi-Fiルータの中には、端末に割り振られたMACアドレスを用いて、特定のユーザーだけがWi-Fiにアクセスできるようにコントロールする機能が備わっているものもあります。
また、MACアドレスとは、無線LANカードやWi-Fiルータに付与される16進数12桁の端末識別番号です。
特定の端末がどのWi-Fiルータと接続できるか、MACアドレス情報は暗号化されず一目で判別できるため、なりすまし接続が可能になります。
本来であれば、アクセス制御はセキュリティの向上につながりますが、MACアドレスの詐称により突破される可能性があるので注意しましょう。
Wi-Fiの脆弱性を放置していると、通信内容を盗み見られたり、ファイルが改ざんされたりといったリスクが発生します。
不正アクセスによる情報の流出など、大きなトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
適切な対策につなげられるよう、Wi-Fiの脆弱性によって起こりうるリスクをしっかり把握しておきましょう。
WEPやWPAなど、2024年の現時点でセキュリティレベルが低いといわれている暗号化方式を使用していると、通信内容を傍受されるリスクが高まります。
例えば、ログイン情報やメールの内容などが、悪意のある第三者に取得される可能性が考えられます。
万一、顧客や従業員の個人情報、機密情報などが外部に流出してしまえば、信用にかかわる大きなトラブルに発展しかねません。
また、漏えいした情報の内容によっては損害賠償など、法的な責任も発生する可能性があります。
ファームウェアの更新ファイルは、多くの場合メーカーの公式サイトなどで一般公開されています。
しかし、悪意のある攻撃者が不正な機能を追加し、ファイルそのものを改ざんしている可能性も考えられます。
仮に改ざんしたファイルがWi-Fiルータにインストールされた場合は、ハッキングによる盗聴被害などが起こりうるでしょう。
最悪のケースでは、本来のユーザーがWi-Fiにアクセスできず、代わりに攻撃者がその機器を乗っ取るということも想定されます。
悪意のある第三者がMACアドレスを詐称し、アクセス制御を回避すると、不正アクセスが可能になります。
詐称したMACアドレスを用いることで正規の端末を装ってWi-Fiを利用できるため、個人情報の盗難やデータ改ざんが容易に行えます。
このほか、別の機器へのハッキングの中継地点にされるなど、さまざまなトラブルへと発展する恐れがあるでしょう。
MACアドレスを詐称された際は、不正アクセスをした人物を特定しにくいのが難点で、原因を究明できない可能性も考えられます。
Wi-Fiの脆弱性は重大なトラブルに発展する可能性があるため、放置しておくのは賢明ではありません。
最新の暗号化方式を用いる、ファームウェアの更新を怠らないといった対策を速やかに実施しましょう。
設定して終わりではなく、定期的にアップデートを確認し、見直すことも高いセキュリティレベルを維持するために重要なポイントです。
現在の暗号化形式は、古い規格の脆弱性を改善するために改良されてきました。
そのため、最新の暗号化方式ほど安全性が高く、現在主流のWPA2よりも、なるべく最新型のWPA3を採用するのが理想です。
しかし、WPA3も、過去に「Dragonblood」という攻撃手法が確立され、新たな脆弱性が発見されています。
現在では、Wi-Fiルータや端末を最新状態に保つことで、この攻撃を回避できるため、過度に心配する必要はないといえます。
ただし、脆弱性は常にあると考え、WPA3だからといって必ずしも安心とは限らないことを念頭に置いておきましょう。
どんな規格にも脆弱性はあるので、新たな方式が生まれた際にはスピーディに切り替えられる体制を整えておくことも重要です。
ファームウェアに脆弱性が見つかると、それを修正するための更新ファイルがメーカーから提供されます。
脆弱性を放置しないためにも、最新のファームウェアがリリースされたら、速やかに更新しましょう。
近年リリースされたWi-Fiルータの多くは、ファームウェアの自動更新に対応しています。
そのため、自動更新機能を有効にしておくことをおすすめします。
しかし、Wi-Fiルータ自体が古く、メーカーのサポートが終了している場合は、最新バージョンが提供されないことがあるので注意が必要です。
定期的に機器のサポート期間を確認し、必要であれば新しい機器への乗り換えも検討してください。
Wi-Fiルータを最新のセキュリティ状態に保つには、ファームウェアアップデートが有効です。
しかし、前述したようにアップデート作業を逆手に取り、更新ファイルを書き換えられる可能性も考えられます。
そこで、Wi-Fiルータが悪意のある第三者に乗っ取られていないか、定期的に設定などを確認することも大切です。
機器の設定を確認し、使用していない設定や変更した覚えのない項目が有効になっていないかを確認するとよいでしょう。
不正アクセスの痕跡があれば即座に端末を初期化し、ファームウェアの更新やパスワードの再設定を行ってください。
参考記事:【企業向け】Wi-Fiのセキュリティ対策とは?リスクや対策方法を解説
Wi-Fiには、第三者からの傍受を防げる暗号化方式がありますが、規格が適切でないと安全に通信できません。
また、ファームウェア更新時にもセキュリティリスクが発生するなど、さまざまな脆弱性があります。
Wi-Fiの脆弱性に対処しない場合、不正アクセスやWi-Fiルータの乗っ取りといった被害に遭う可能性があるため、適切な対策を講じる必要があるでしょう。
できるだけ最新の規格を採用し、ファームウェアのアップデートや設定の確認を怠らないことが大切です。
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