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2024.07.03

UTMとファイアウォールの違いとは?役割や仕組みを徹底解説

セキュリティシステムを導入するにあたり、UTMとファイアウォールどちらを導入すべきか悩む方は少なくありません。

そこで本記事では、UTMとファイアウォールの違いについて解説しています。どちらが自社に適しているのかを見極めるうえでの参考にしてください。

 

UTMとファイアウォールの概要

UTMとファイアウォールの概要のイメージ

ファイアウォールは、ネットワークのトラフィックを監視し、許可されていない通信をブロックするためのシステムです。

一方UTMは、ファイアウォールに加えて複数のセキュリティ機能が搭載された製品を指します。以下、それぞれの概要を詳しく解説します。

 

UTMは幅広いセキュリティ機能が統合された製品

UTM(Unified Threat Management)は日本語で「統合脅威管理」とも呼ばれ、ファイアウォール、アンチウイルス、IPS/IDSなど、さまざまなセキュリティ機能が統合された製品を指します。

これらのセキュリティ対策ツールは、個別の製品として提供されているケースがありますが、複数のツールを導入して多層防御を行うのはコストも手間もかかってしまいます。

また、年々巧妙化・多様化するセキュリティリスクを考えれば、いずれか一つのセキュリティツールを導入するだけでは不十分です。

そこで、複数のセキュリティ機能を一つにパッケージ化した製品としてUTMが登場し、社外からの不正アクセス、サイバー攻撃などを防ぐとともに、社内からの情報漏洩を防止するために活用されています。

UTMは、外部ネットワークと接続しているルータに接続して社内ネットワークを構築するため、プリンタや複合機など、ネットワークにつながっているさまざまな機器が保護されます。

 
関連記事:UTM(統合脅威管理)とは?概要や主な機能、導入事例を解説

 

ファイアウォールは不必要なデータを遮断するセキュリティ機能

ファイアウォールは、不正アクセスやデータの改ざん、情報漏えいなどを防ぐ役割を持つ、セキュリティ対策に必須の機能です。

外部から送られるパケット(ネットワークを流れるデータ片)の情報から、社内ネットワークへ通過させても良いかどうかを判断します。

不正なデータだと判断した場合には、通過を拒否して管理者に通報する仕組みです。

ソフトウェアとして提供されたり、ルータなどのネットワーク機器に搭載されていたりするほか、ファイアウォールの機能のみを持つ専用機器も存在します。

 
また、最近ではファイアウォールが進化した次世代ファイアウォール(NGFW)も活用されています。

次世代ファイアウォールには、ファイアウォールに加えアプリケーションコントロールやIPS(侵入防止システム)などの機能が搭載されていますが、機能の種類だけ見ればUTMには及びません。

 

UTMとファイアウォールの違い

UTMとファイアウォールの違いのイメージ

UTMとファイアウォールは、どちらもセキュリティ対策に有効な手段ですが、その機能や対応範囲は大きく異なります。

そのため、それぞれの違いを理解したうえで、自社に適した製品を導入することが大切です。

 

役割

ファイアウォールが不正アクセスを検知、遮断するシステムであるのに対して、UTMにはファイアウォールを含めたさまざまな機能が備わっています。

そのため、包括的なセキュリティ対策ができるかできないかという点が、両者の大きな違いといえるでしょう。

ファイアウォールは単体の専用機器も存在しますが、あくまでUTMにも含まれている一機能なので、活用範囲も限定されてしまいます。

より総合的なセキュリティ対策を行いたいなら、UTMのほうが向いているでしょう。

 

仕組み

UTMは、ネットワークの出入り口に必要になるため、ルータ直下に設置するのが一般的です。
そうすることで、UTMに接続するすべての機器が保護対象になるため、プリンタ、複合機といったハードウェアも脅威から守れます。

また、ウイルス対策ソフトのようなセキュリティ製品と異なり、デバイスへのインストールが不要な点も特徴の一つです。

 
ファイアウォールには「パケットフィルタリング」「アプリケーションゲートウェイ」の形式があり、それぞれのルールで監視や遮断を行っています。

パケットフィルタリングでは、パケットの先頭部分にあたるヘッダー情報を読み取り、社内ネットワークに通過させてもよいかどうかを判断します。
それに対してアプリケーションゲートウェイは、アプリケーションごとにフィルタリングを行う仕組みです。

 

メリット・デメリット

UTMとファイアウォールには、それぞれ以下のようなメリット・デメリットが存在します。

 

  メリット デメリット
UTM ・個別のセキュリティ機器をそろえる手間やコストがかからない
・セキュリティ機能が一元管理できる
・包括的なセキュリティ対策が可能
・UTMデバイスが故障した場合、ネットワーク全体のセキュリティが影響を受ける
・一つの製品になっているためカスタマイズ性が低い
・高機能なUTMデバイスは高額になりがち
ファイアウォール ・不正アクセスや攻撃からネットワークを守る
・トラフィックのログを記録するためセキュリティインシデントの追跡やトラブルシューティングが容易になる
・ 設定のミスが脆弱性を生むため担当者には専門的な知識が必要
・内部からの攻撃や既に侵入されたマルウェアには対応できない場合がある

 

UTMは1台で複数の対策が可能なので、パフォーマンスに優れるといったメリットがありますが、故障した場合に備えてバックアップや冗長性の確保が必要です。

ファイアウォールはトラフィックを監視して不正なアクセスをブロックしますが、内部に侵入したウイルスやマルウェアに対応できないケースがあります。

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UTMとファイアウォールのどちらを選ぶべき?

UTMとファイアウォールのどちらを選ぶべき?のイメージ

UTMとファイアウォールを見比べた場合、UTMのほうが多機能で強固なセキュリティ対策が実装できますが、その分、費用が高額になりがちです。

そのため、「中小企業ならファイアウォールだけでも十分なのでは」と感じる方がいるかもしれません。

しかし、近年は中小企業がサイバー攻撃の標的として狙われるケースが増え、被害も拡大しています。

警察庁の「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2023年のランサムウェアの被害件数197件のうち52%が中小企業と、最大の割合を占めています。

サイバー攻撃は年々多様化・巧妙化しているため、中小企業だからといって安心せず、ファイアウォールも搭載されたUTMで総合的なセキュリティ対策を行いましょう。

 
関連記事:UTM導入は義務化の対象?法的観点から見た必要性を解説

 

(まとめ)UTMで総合的なセキュリティ対策を実施しよう

UTMには、ファイアウォールをはじめ複数のセキュリティ機能が搭載されているため、ファイアウォールのみを導入する場合に比べ、総合的なセキュリティ対策が行えます。

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