インベントリ管理とは?メリットや対象となる資産など基本的な知識を解説

2025.08.12

デバイス

インベントリ管理とは?メリットや対象となる資産など基本的な知識を解説

インベントリ管理は、IT資産の効率的な管理だけでなく、セキュリティの強化にも有効な施策です。

本記事では、インベントリ管理の必要性や対象、メリット、導入時の課題などについて解説します。

社内のIT資産を正確に把握・管理するために、インベントリ管理の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インベントリ管理とは

インベントリ管理とは、企業がもつハードウェアやソフトウェアなどのIT資産情報を一元管理・可視化する仕組みのことをいいます。

インベントリ管理の対象には、次のようなものをはじめ、さまざまな情報が含まれます。

  • LAN上の接続機器
  • デバイスが保有するスペック情報
  • ハードディスク容量
  • 利用履歴
  • システム構成 など

膨大になるこれらの情報を手作業で収集し、一元管理するのは困難なため、企業ではインベントリ管理ツールを活用するのが一般的です。

インベントリ管理ツールは、社内ネットワークをスキャンし、接続されているデバイスの情報を収集・レポートします。

こうした作業をすべて自動で行うことで、大量のデータを過不足なく集め、適切に管理できます。

IT資産の一元管理は、管理効率の向上と、適切な運用によるセキュリティの強化に効果的です。

インベントリ管理の必要性

近年、クラウドサービスの活用やリモートワークの普及により、オフィス以外の場所で業務を行う機会が増えています。

これにより、利便性が向上した一方で、IT資産の利用状況を把握するのがより難しくなり、情報漏洩や不正利用といったセキュリティリスクも高まっているのが現状です。

こうした背景から、企業が保有するパソコンやソフトウェア、ライセンスといったIT資産を、正確に把握・管理できるインベントリ管理が注目されています。

IT資産をきちんと管理することは、セキュリティ対策の第一歩であり、企業に求められる社会的責任です。

セキュリティ対策としてのIT資産管理は、自社だけでなく、取引先や顧客にとっての安心材料にもなります。

インベントリ管理の導入メリット

インベントリ管理を導入する主なメリットは、以下のとおりです。

  • セキュリティの強化
  • コストの最適化
  • コンプライアンスの強化

各メリットについて詳しく見ていきましょう。

セキュリティの強化

インベントリ管理によってIT資産の情報を可視化すれば、セキュリティ上のリスクを事前に把握し、スピーディーに対策を講じられるようになります。

例えば、ソフトウェアの状況を把握すれば、脆弱性のある古いバージョンを早期にアップデートしたり、不要なソフトウェアを削除したりといった対応が可能です。

また、端末の使用者、設置場所の情報と紐づけた管理ができれば、退職者アカウントの削除漏れや、端末の紛失・持ち出しといったリスクにも対応しやすくなります。

コストの最適化

インベントリ情報を整理することで、IT資産の過不足や使われていない資産の存在が明らかになります。

その結果、未使用のクラウドサービスやサブスクリプション契約の見直し、不要なソフトウェアの削減といった、コストの最適化が可能です。

また、資産の購入で起こりがちな重複や、過剰な在庫の保有も防げるため、無駄な物品コストの抑制効果も期待できます。

このほか、一元管理によって棚卸作業の効率化が図れたり、情報システム担当者の業務負担を軽減できたりといった間接的なコスト削減にも効果的です。

コンプライアンスの強化

ソフトウェアのライセンスや、アップデート状況を正確に把握・管理することは、コンプライアンスの観点からも重要です。

契約、更新状況が可視化されるため、ライセンス範囲外での利用や、期限切れによる不正使用などのリスクを防止できます。

また、コンプライアンスの遵守により、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの外部認証取得や、内部・外部監査への対応もスムーズに行える点もメリットです。

インベントリ管理によって、法令や社内ルールの遵守体制を強化すれば、企業としての信頼性向上にもつながるでしょう。

インベントリ管理の対象

インベントリ管理の対象になるのは、パソコンやスマホといった機器に関する情報だけではありません。

ソフトウェアやライセンス、ログデータなどを幅広く収集し、網羅的に管理することが求められます。

管理精度の向上、セキュリティレベルの強化など、目的を明らかにすることで、管理項目も具体的になります。

ここでは、インベントリ管理の対象として押さえておくべき情報と項目を、活用ポイントとともに見ていきましょう。

ハードウェア情報

ハードウェア情報は、インベントリ管理において基本ともいえる項目です。

パソコンやサーバー、ルータなどの製品に加え、それぞれの型番、稼働状況、設置場所などを把握することで、資産の全体像が可視化されます。

これにより、古くなったデバイスの入れ替え計画や、障害発生時の迅速な原因特定、対応に役立てることが可能です。

インベントリ管理の対象になる主なハードウェア情報は、次のとおりです。

  • コンピュータ名
  • ファームウェア
  • CPU
  • IPアドレス
  • メモリ容量
  • ディスク容量
  • MACアドレス など

ソフトウェア情報

ソフトウェアの管理では、次のように、各ハードウェアにインストールされているアプリケーションの種類やバージョン、使用状況などを把握することが求められます。

  • OSのバージョン
  • リビジョン
  • OSのアップデート状況
  • インストール・アンインストールされたアプリケーション
  • 各ソフトウェアの稼働状況 など

これにより、承認していないアプリケーションの混入、古いバージョンによるセキュリティリスクの上昇が防げます。

不要なソフトウェアやアプリケーションの削除は、コスト削減にもつながるため、IT統制の実現において欠かせない項目です。

アップデート情報

セキュリティの観点から、機器にインストールされたファームウェアやソフトウェアは、適宜アップデートを実行し、常に最新状態を維持することが求められます。

以下のような項目を監視し、各種システムのパッチ適用状況などを一覧で把握することで、未更新の端末が残るような事態を防げます。

  • OS・ソフトウェアのアップデート情報
  • アップデートの適用状況
  • アップデートプログラムの配布状況

リアルタイムで更新状況を監視し、必要に応じて強制アップデートができる体制が必要です。

ライセンス情報

ライセンス情報の管理では、以下のような項目を把握し、有効期限が切れたり使用していないライセンスが放置されたりする状態を防ぎましょう。

  • 保有状況
  • 適用状況
  • 利用状況
  • 有効期限

例えば、インストール数と保有ライセンス数が一致しているかどうかを確認することで、規約違反を回避できます。

また、サブスクリプション型のライセンスが把握できていれば、期限切れによる業務停止や不要なコストの発生も抑えられます。

ログ管理

インベントリ管理では、以下のような点をチェックし、IT資産が実際どのように稼働しているかを管理することも重要です。

  • アプリケーションの起動・稼働状況
  • ファイル操作履歴
  • 外部ネットワークとの接続状況

こうしたデータが含まれるログを適切に管理すれば、いつ誰が何をしたかが追跡できるため、異常行動や障害の早期発見、スムーズなインシデント対応が可能になります。

ログはインベントリ情報の裏付けになるため、高精度での取得と安全な管理体制の構築が求められます。

不正や障害検出管理

インベントリ管理に伴って、次のような不正行為やシステム障害の早期検出・対応を行う仕組みも用意しましょう。

  • 不正アクセスの検知
  • 未許可ネットワークへの接続検知
  • 怪しい振る舞いの検知
  • 障害とその兆候の検知

例えば、許可されていないアプリケーションのインストールが検出された場合、マルウェアである可能性などを考慮して、すぐにアラートを出す必要があります。

機器の稼働やログイン状況から、不正行為、障害の発生を見つけることができるため、リアルタイムでの監視・検知体制を構築することが大切です。

インベントリ管理を行う際の課題

インベントリ管理は、IT資産の可視化や効率的な運用に役立ちますが、実際の運用ではいくつかの課題もあります。

例えば、管理対象の範囲が曖昧なままだと、情報の抜け漏れや重複が発生しやすくなり、正しい情報が収集できません。

パソコンやサーバーだけでなく、スマートデバイス、クラウドサービス、ライセンスなど、対象をあらかじめ明確にしておくことが重要です。

また、管理項目が多くなるにつれて情報の更新が属人化しやすく、それらを手作業で行う場合には、ミスや形骸化のリスクも高まります。

こうした課題を解消するためには、資産の範囲や更新ルールを明確にし、安定的に継続できる体制の整備が欠かせません。

 

インベントリ管理ツールを導入すれば、資産情報の自動取得や棚卸し、ライセンス管理などの効率化が図れ、日々の運用負担を大きく軽減できます。

ただし、管理ツールの選定と導入にあたっては、コストや運用負荷を十分に考慮する必要があります。

導入に向けて役割分担や運用フローの整備もあわせて行い、まずは優先度の高い領域から段階的に始めるのがおすすめです。

まとめ

企業が持つIT資産を適切に管理するためには、それらを一元的に管理できる体制が欠かせません。

デバイスやソフトウェア、アプリケーション、ログ情報など、さまざまな情報をまとめて管理することで、セキュリティレベルの向上や、スムーズなインシデント対応が可能になります。

IT資産の状況を正確に把握出来れば、不要なサービスや無駄なコストも明らかになるため、財務面でのメリットも大きいです。

多くの機器を手作業で管理すると、ミスや精度の低さが課題になるため、自動で情報を収集できるインベントリ管理ツールを導入するのがおすすめです。

 

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