アンチウイルスソフトは本当にいらない?必要・不要なケースについて徹底解説

2025.05.01

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セキュリティ

アンチウイルスソフトは本当にいらない?必要・不要なケースについて徹底解説

アンチウイルスソフトは、必ず導入すべきという意見と、いらないという意見に分かれることが多く、対応に困っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アンチウイルスソフトがいらないといわれる理由とともに、その必要性についても解説しています。

導入すべきケースと、必要ないケースもまとめているので、あわせてご覧ください。

アンチウイルスソフトがいらないといわれる理由

アンチウイルスソフトが、いらないといわれる主な理由としては以下が挙げられます。

  • OSに専用のセキュリティソフトが搭載されていることが多いため
  • Wi-Fi利用時は通信が暗号化されるため

それぞれ見ていきましょう。

OSに専用のセキュリティソフトが搭載されていることが多いため

Windows10および11には、標準装備として、無料で利用できる「Windowsセキュリティ」が搭載されています。Windowsセキュリティには以下のような機能が搭載されています。

  • Windows Defender:マルウェア対策プログラム
  • ファイアウォール:ネットワーク接続を監視し、攻撃を防止
  • ランサムウェア保護:重要なファイルを保護する
  • アカウント保護:Microsoftアカウントのセキュリティを強化
  • セキュリティ診断ツール:システムをスキャンして問題を解決

従来のWindowsのセキュリティ機能は「ないよりはまし」程度の評価で、別途アンチウイルスソフトの導入が推奨されていました。

しかし、Windows10以降、大幅にその性能が向上したため、あえて有料のアンチウイルスソフトを導入する必要はないと考えるユーザーは一定数います。

そのため、「Windowsにアンチウイルスソフトは不要」という意見がありますが、これは、ウイルス対策そのものが不要という意味ではありません。

あくまでも、Windowsセキュリティが標準で備わっているため、有料ソフトを購入しなくても問題ない、という意味であると理解しておきましょう。

Wi-Fi利用時は通信が暗号化されるため

Wi-Fiルータを利用することで通信が暗号化される点も、アンチウイルスが不要といわれる理由の一つです。

Wi-Fiルータには、機器を識別するためにSSIDが設定されており、パスワードの入力によって接続が可能になります。

推測が難しいパスワードを設定しておけば、第三者によるWi-Fiへの不正アクセスのリスクを軽減できます。

さらに、通信の暗号化によって盗み見される危険も減り、情報の漏洩を防ぐ効果も期待できるでしょう。

このように、暗号化できるWi-Fiを使うのであれば、わざわざアンチウイルスソフトを購入する必要がないという意見も出てきています。

ただし、暗号化の方式ごとにセキュリティレベルが異なるため、セキュリティを強化する場合は、強力なAES方式を選ぶのがおすすめです。

アンチウイルスソフトの必要性

一方で、依然としてアンチウイルスソフトが必要とされる理由は以下のとおりです。

  • OSに搭載されていないセキュリティ機能を補うため
  • 多様化・高速化するマルウェアを防ぐため
  • 感染時の損害を最小限に抑えるため

必要ないと言われる理由と、必要だと言われる理由の両方を理解したうえで判断しましょう。

OSに搭載されていないセキュリティ機能を補うため

前述したWindows標準のセキュリティ機能では、基本的なウイルス対策を提供していますが、次のような機能は備わっていません。

  • パスワード管理機能
  • トラッキング防止機能
  • セキュアブラウザ

そのため、これらの機能を補うためには、アンチウイルスソフトの導入が推奨されます。それぞれの機能について確認しておきましょう。

パスワード管理機能

Windowsセキュリティには、パスワード管理機能が備わっていません。

そのため、パスワードやIDの流出リスクを抑えたい場合には、市販のアンチウイルスソフトの利用が有効な手段になるでしょう。

パスワードマネージャー機能が搭載されているアンチウイルスソフトを導入すれば、安全性を強化できます。

安全なパスワードを生成し、クレジットカード情報や資格情報をオンライン上で保管・管理することが可能です。

IDやパスワードの漏洩は、企業の機密情報、顧客情報の流出、サーバーダウンなどの被害につながりかねません。

そのため、標準搭載のセキュリティにのみ頼るのではなく、アンチウイルスソフトを導入しておいたほうが安心です。

トラッキング防止機能

トラッキング防止機能は、ユーザーの行動や閲覧履歴などが第三者に渡るのを防ぎ、個人情報漏洩のリスクを減らすために有効です。

そもそもトラッキングは、Webサイトやアプリがユーザーのオンライン活動を追跡し、行動履歴を収集するために行われます。

ユーザーにとっては興味関心の高い広告、コンテンツが表示されるので便利な半面、情報が漏洩しやすくなるのが難点です。

トラッキング防止機能があれば、これらの情報が企業や開発者に渡るのを防ぐことができます。

Windowsにはこの機能が搭載されていないため、自身で対策するしかありません。

セキュアブラウザ

セキュアブラウザは、ウェブブラウジングのセキュリティを強化する機能です。

アンチウイルスソフトが提供する機能の一つで、隔離されたエリアの中でデータにアクセスできるため、不正アクセスなどを防ぐことが可能です。

以下のような方法で、安全性の高いブラウザ環境を構築します。

  • 不正なサイトへのアクセスを制限する
  • 端末にデータを残さない

多様化・高度化するマルウェアを防ぐため

Windowsセキュリティは、未知のマルウェアに対してパターンマッチング方式で対応します。

これは、すでに存在しているウイルスのデータベースから、特徴となるソースコードを見つけて検知する方法です。

そのため、新たに発生したウイルスやワームなどには対応しきれないケースがあります。

未知のマルウェアへの対策を強化したい場合は、挙動の検知によってマルウェアを検出できるタイプのアンチウイルスソフトを選ぶとよいでしょう。

この方法は振る舞い検知とも呼ばれ、プログラムの動作を分析し、不審な挙動を識別することで、新しいマルウェアの検出を可能にします。

マルウェアによる攻撃は、年々巧妙かつ悪質化しており、Windowsセキュリティのみで検出するのは困難です。

複雑になるサイバー攻撃に備えるためには、市販のアンチウイルスソフトの導入が求められます。

感染時の損害を最小限に抑えるため

万が一、ウイルスなどに感染してしまった際には、どれだけ早く復旧できるかが重要です。

復旧までに時間がかかってしまうと、社内システムやネットワークが受けるダメージは大きくなります。

パソコン内のデータが削除されれば業務に影響が出ますし、工場の生産ラインが停止するというような事態になれば、補償問題に発展しかねません。

また、それぞれの復旧作業や、ウイルス感染の経路・原因の究明といった作業にはコストが発生するため、損害を明確に想定するのは困難です。

万が一深刻な被害状況になった場合は、これらの復旧に係るコストは莫大になるでしょう。

Windowsにも「バックアップ」や「修復ツール」が標準搭載されていますが、これらは基本的な機能にとどまるため、有事に求められる迅速かつ包括的な復旧には不十分です。

アンチウイルスソフトを導入することで、早期の復旧が可能になり、トラブル時の損害を最小限に抑えることが可能です。

 

アンチウイルスソフトがいらない・必要なケース

アンチウイルスソフトが必要かどうかは、自社のセキュリティ状況や業務内容などによって変わります。

安易に判断するのではなく、どちらが最適解かを見極めてセキュリティ対策をすることが大切です。

ここでは、アンチウイルスソフトがいらないケースと、必要なケースについて、それぞれ詳しく解説していきます。

アンチウイルスソフトがいらないケース

アンチウイルスソフトがいらないのは、インターネット利用による脅威のレベルが低い環境です。

デジタルデバイスの利用状況と照らし合わせながら、アンチウイルスソフトを導入するかどうか、慎重に検討しましょう。

簡易的な作業でのみインターネットを利用する

インターネット検索で簡単な調べ物をしたり、短時間だけ動画を視聴したりする程度の使い方であれば、インターネットの脅威レベルは比較的少ないといえます。

また、業務には使用せず、プライベートでのみ利用するデバイスであれば、Windowsセキュリティだけでも十分です。

ただし、危険なサイトにアクセスすればリスクは跳ね上がるため、ユーザー自身に基本的なITリテラシーがない場合は、安全とはいい難いでしょう。

主にオフラインでパソコンを利用する

パソコンをインターネットに接続せず、Microsoft Officeなどで資料作成のみを行うような場合も、基本的にはWindowsセキュリティだけで十分でしょう。

ただし、ウイルスはUSBメモリをはじめとする記録媒体などを通しても感染する危険があります。

安全性が確認できないUSBメモリは安易に使わないようにしましょう。

また、Windowsセキュリティを常に最新の状態に保っておくことが大切です。

アンチウイルスソフトが必要なケースの特徴

以下のようなケースでは、アンチウイルスソフトの導入が推奨されます。

  • ビジネスでパソコンやインターネットを利用する
  • インターネット上で金銭のやり取りをする
  • オンラインゲームを行う機会が多い

アンチウイルスソフトを使わない場合のリスクとあわせて確認しておきましょう。

ビジネスでパソコンやインターネットを利用する

企業において機密情報や顧客データを取り扱う場合、それらをサイバー攻撃から守るためには高度なセキュリティ対策が必要です。

仮に業務用デバイスがマルウェアに感染すれば、使用している従業員の個人情報だけでなく、機密情報や社外秘データ、最悪のケースでは顧客情報まで流出しかねません。

セキュリティ事故は企業の信頼を大きく損なう要因になり、被害の規模や対応によっては、事業の継続さえ困難になる可能性があります。

貸与するパソコンにはアンチウイルスソフトを導入するのが一般的ですが、それだけで安心してはいけません。

個人用のデバイスを業務にも使用する場合は、従業員の端末それぞれにアンチウイルスソフトを導入する必要があります。

インターネット上で金銭のやり取りをする

インターネット上でよく金銭のやり取りを行う方は、市販のアンチウイルスソフトを導入することをおすすめします。

特に、ネットバンキングやオンラインショッピングにおいて、クレジットカード番号や銀行の口座番号を入力する場合は、高いセキュリティレベルが求められます。

アンチウイルスソフトのパスワード管理機能や、セキュリティを強化した専用ブラウザ(セキュアブラウザ)を活用し、安全に金銭のやり取りを行いましょう。

万が一、マルウェアによる情報漏洩が発生すれば、ログイン情報などが流出し、深刻な経済的損失を招きかねません。

オンラインゲームを行う機会が多い

日常的にオンラインゲームを楽しんだり、ゲームのオンライン機能を利用したりする人は、アンチウイルスソフトを導入するべきです。

ゲームソフト自体や、アップデート・修正パッチ、改造データといったインストールデータには、ウイルスが紛れ込んでいる可能性があり危険です。

アンチウイルスソフトの導入によってデバイスの動作が重くなることを心配する方もいるかもしれませんが、ゲームに適した製品を選ぶことで、今までと変わらずにプレイできます。

たとえば、「ゲームモード」や「サイレントモード」が搭載された製品であれば、十分にセキュリティ対策を行いつつ、快適な環境でゲームを楽しめます。

 

目的や環境に合わせてアンチウイルスソフトの必要性を判断しよう

「アンチウイルスソフトは、有料のものでなくOS標準装備のセキュリティ機能で十分」という声も聞かれますが、安易に判断するのは危険です。

多くのアンチウイルスソフトには、OSのセキュリティではカバーしきれない部分に対応できる機能が搭載されています。

そのため、デバイスの使用状況やリスクの大きさによっては、有料のアンチウイルスソフトを導入するほうが安心です。

特に企業で使用する場合には、セキュリティインシデントが大きな損害につながるため、慎重に検討する必要があります。

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