社内ネットワークが遅い原因とは?5つの改善策を紹介

2024.12.02

ネットワーク構築

社内ネットワークが遅い原因とは?5つの改善策を紹介

社内ネットワークについて、「期待した速度が出ていない」「通信が遅くてストレスを感じる」といった悩みをお持ちではありませんか?

社内ネットワークの通信環境を改善するためには、遅さの度合いや原因を特定することが重要です。

そこで今回は、社内ネットワークが遅くなってしまう7つの原因と、効果的な5つの改善法を紹介します。快適な通信環境を構築するための参考にしてください。

参考記事:社内ネットワークの基礎知識まとめ|仕組みや構築方法を解説

社内ネットワークが遅い?通信速度の調査方法

社内ネットワークが遅い?通信速度の調査方法のイメージ

理想的な社内ネットワークのスピードの目安は、通信の用途によって異なります。

メールの送受信約10Mbps
Web会議上り1Mbps以上
下り10~30Mbps以上
ファイルの共有約50~100Mbps

社内のネットワークが遅い、重いと感じる場合は通信速度の実数値が、上記の目安を下回っている可能性が高いでしょう。

まずは、目安を参考にしつつ実数値を計測してみてください。実数値を計測する方法としては、以下が挙げられます。

  • pingコマンド:通信のラウンドトリップタイム(RTT)から遅延が発生しているかを簡易的に判断する方法。初歩的な通信速度チェックに適している。
  • Tracert/Tracerouteコマンド:通信の、どの部分で遅延が発生しているかが特定でき、ネットワーク内のボトルネックを可視化することが可能。
  • トラフィックの監視ツール:速度またはパケットの遅延、パケットロスの発生状況を詳細に把握できる。帯域幅の使用状況や特定の端末間の通信品質を確認するために有効。

これらの計算により、スムーズに通信できない原因が見えてくるでしょう。また、多くの人が社内で快適にネットワークを利用するためには、回線速度が1Gbps(1000Mbps)以上あると安心です。

社内ネットワークが遅い原因

社内ネットワークが遅い原因のイメージ

社内ネットワークが遅くなる原因としては、主に以下の7つが考えられます。

  • 一時的な帯域不足
  • LANケーブルの通信規格の問題
  • 接続機器の性能不足
  • 電波干渉の発生
  • 配線やネットワーク構造の複雑化
  • IPアドレスの不具合
  • サイバー攻撃や通信障害などの外的要因

それぞれ対処法が異なるため、まずはどの原因に当てはまるのかを特定することが重要です。

一時的な帯域不足

社内ネットワークに接続するルーターやVPNゲートウェイなどの機器は、それぞれ処理できるトラフィック量(回線を流れるデータ量)が限られています。

そのため、これらの機器に多くのアクセスが集中すると、ネットワーク上を行き来するトラフィックが交通渋滞のような状況になり、一時的に通信速度が低下してしまうのです。これを輻輳(ふくそう)といいます。

特定の時間帯に遅延が見られる場合は、この輻輳が発生している可能性が高いため、ネットワーク利用者の数を把握することが重要です。

また、近年はクラウドサービスの利用が増加しているため、特定の装置にアクセスが集中する場面が多く、輻輳が発生しやすい環境になっています。

参考記事:VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?仕組みや活用シーンを紹介

LANケーブルの通信規格の問題

ネットワークを繋いでいるLANケーブルの通信規格(カテゴリ)が合っていない場合も、速度低下を招きやすくなります。

社内ネットワークを構築するには、回線事業者が提供する回線の通信速度や、ルーターの処理能力に応じたLANケーブルが不可欠です。

たとえば、インターネット回線の通信速度が最大1Gbpsだとしましょう。これに対して、LANケーブルの処理能力が最大100Mbpsしかなければ、インターネット回線の通信速度を活かしきれません。

こういったケースは、とくに古いLANケーブルを使い続けている場合に多く起こります。利用中のLANケーブルの通信規格を確認してみましょう。

接続機器の性能不足

ハブやルーターといった接続機器のスペックが足りていない場合も、LANケーブルの通信規格が合っていない場合と同様、通信速度が低下することがあります。

これらの接続機器も、一般的にデータの転送量が決まっています。そのため、どれだけ速度の速いインターネット回線を利用していても、接続機器の転送量を超えた速度は出せません。

社内ネットワークが不安定な場合は、接続機器のスペックも見直してみると良いでしょう。

電波干渉の発生

無線LANを用いて社内ネットワークを構築している場合、ほかの電波による干渉を受ける可能性があります。

たとえば、電話や電子レンジといった機器は電波を発しており、無線LANの電波に影響を与えかねません。

Wi-Fiの電波は、大きく2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯に分けられます。それぞれの特徴は下表のとおりです。

2.4GHz遮蔽物に強く、遠くまで電波が届くのが特徴。
Bluetoothや家電製品でも利用されるため、電波による干渉が発生しやすいのが難点。
5GHz通信速度が速く、電波干渉に強いのが特徴。
しかし、電波が届く距離が短く、遮蔽物に弱い傾向がある。

このように、使用するWi-Fiの周波数によっては、電子機器によって電波干渉が起き、通信が乱れる恐れがあります。その場合、周波数を切り替えることで、電波状況が改善されることもあります。

その他、パソコンなどの端末と無線LANルーターの距離が離れていたり、アクセスポイントを複数設置していたりすることも、通信速度が落ちる要因です。

配線やネットワーク構造の複雑化

大規模な社内ネットワークでは、配線やネットワーク構造が複雑になる場合があり、それによりデータの転送距離が長くなると、処理時間が増えます。その結果、エラーが発生し、通信速度の低下を招くことがあります。

また、配線が複雑な状況では、人的ミスにも注意が必要です。例えば、複数のポートにスイッチングハブやブリッジなどが誤って繋がれ、ループ接続してしまうケースが考えられるでしょう。

このような状態では、ループ内部で繰り返しデータ循環が行われるため、データ転送時に障害が発生するおそれがあります。これにより、利用可能な帯域をすべて消費してしまい、社内ネットワーク全体の遅滞やダウンに陥るケースも珍しくありません。

そのほか、新しい機器を導入した際の配線や設定の段階で、ミスが発生する可能性もあります。

IPアドレスの不具合

ネットワークに接続されたホストや、端末を特定する識別番号がIPアドレスです。

このIPアドレスが原因になって起きやすい不具合としては、複数のIPアドレスが競合することで、ルーティングが正常に働かなくなる状況が挙げられます。

また、IPアドレスが正しくセグメントされておらず、重複しているケースも考えられるでしょう。この場合は、トラフィックが増えることでネットワークの帯域幅が必要以上に消費されるため、輻輳やパフォーマンス低下に陥ってしまいます。

サイバー攻撃や通信障害などの外的要因

通信回線そのものや機器に問題がない場合でも、外部からの要因によって速度が低下する可能性もあります。主な外的要因には、次のような種類があります。

  • 外部からのサイバー攻撃
  • プロバイダ
  • システムの通信障害
  • クラウドサービスやWebアプリケーションのサーバーダウン

このような問題を回避するには、社内ネットワークの構造を見直すだけでなく、セキュリティ面での対策が必須です。

外的要因のなかには、単なる速度低下では済まず、情報漏えいリスクを招くケースもあるため、十分に注意しなければなりません。リスクを把握し、適切に対処しましょう。

参考記事:社内ネットワークのセキュリティについて徹底解説|起こり得るリスクや具体策を紹介

社内ネットワークが遅いときの改善方法

社内ネットワークが遅いときの改善方法のイメージ

社内ネットワークが遅いままでは、業務に支障が出かねません。適切な対策を講じ、通信環境の改善を図りましょう。

通信回線のプランを見直すほか、LANケーブルや接続機器を新しい規格にすることも有効です。

場合によっては、ネットワーク構造や配置を大きく変える必要があるかもしれません。それぞれの方法について詳しく解説します。

高帯域のプランに乗り換える

端末や接続機器に問題がないのであれば、帯域不足によって通信速度が低下している可能性があります。

その場合、契約している通信回線のプランを見直し、現状よりも帯域幅の大きいプランに変えることで、通信速度の高速化や安定化が見込めるでしょう。

乗り換えの際は、帯域保証のあるギャランティ型のサービスを選ぶのがおすすめです。帯域保証は高額になりがちですが、通信回線にはさまざまなサービスがあり、なかには低価格かつ高品質なものも存在します。

1社に限定せず、複数のサービスを比較し、必要であればベンダーそのものを見直すことも有効です。

適切なLANケーブルに交換する

古いタイプや規格が合っていないなど、本来の通信速度を発揮できないLANケーブルを利用しているのであれば、買い替えを検討しましょう。

現代の通信環境を考慮すると、Cat5e以上のLANケーブルを選ぶのがおすすめです。下表を参考に、使用環境に適したLANケーブルを選んでください。

カテゴリCat5Cat5eCat6
最大通信速度100Mbps(100BASE-TXに対応)1Gbps(1000BASE-Tに対応)1Gbps(1000BASE-Tに対応)短距離(最大55m)で10Gbpsも可能
伝送距離最大100m最大100m最大100m(10Gbpsの場合は55m)
周波数帯域100MHz100MHz250MHz
特徴ネットワーク速度の向上に伴い、現在の高速ネットワークにはほとんど使われていない一般家庭や小規模オフィスのネットワークで広く使用され、コストパフォーマンスも良好より高いデータ転送速度が求められるオフィスや中規模ネットワークで利用されている

接続機器の配置を見直す

オフィス内に遮蔽物や電子機器が多いようなら、接続機器の配置を見直す必要があります。

例えば、電子レンジや冷蔵庫などの機器は、電波干渉が起こりやすいため、電波を送受信する導線上には設置しないよう心がけましょう。

そのほか、端末からなるべく近い位置に無線LANルーターを設置したり、複数の端末の中央部に配置したりと、配置場所を工夫することが重要です。

また、端末よりも少し高い位置にルーターを設置することで、電波状況が改善するケースもあります。

なお、5GHzの周波数帯は電波干渉を受けにくいものの、遮蔽物には弱く、電波の距離が伸びにくい点に注意が必要です。

配線やネットワーク構造を見直す

大規模な社内ネットワークを構築している場合は、配線やネットワーク構造を見直す必要があるかもしれません。

まずはケーブルの規格や接続状況、劣化などの配線状況を確認します。その後、不自然な配線や余計な接続がないか確認しましょう。

また、配線を接続し直す際は、接続エラーが生じて業務に支障を与える可能性が考えられるので注意してください。回線の使用状況を確認しながら、計画的に再構築を実施しましょう。

接続エラーを防ぐためには、既存の機器との接続状況を確認し、無理のない配線構造を設計することが大切です。

接続機器のアップグレードを検討する

パソコンやモバイル端末など、社内で使用する端末を最新モデルに変えるのも効果的な方法の一つです。

最新型の機器は、Wi-Fi6をはじめとする次世代規格のネットワークプロトコルや通信規格に対応しているケースが多いです。

また、その規格に合わせて、ルーターやハブなどの接続機器をアップグレードすることで、社内ネットワークの高速化が期待できるでしょう。

端末をアップグレードする際は、購入のほか、レンタルを活用する方法などがあるため、予算に応じて検討しましょう。

社内ネットワークをスムーズに利用するなら「FLESPEEQ」

社内ネットワークが遅くなる原因としては、帯域不足やLANケーブルの問題、接続機器のスペック不足などが挙げられます。

まずは速度調査を行い、必要に応じて社内ネットワークの構造や、機器のアップグレードを検討しましょう。

また、社内ネットワークの不調には、外的要因が影響しているケースもあるため、場合によってはセキュリティ対策も見直すことが大切です。しっかりと現状を把握し、適切な改善策を講じてください。

FLESPEEQ VPNの全体イメージ

FLESPEEQ VPNでは、IPoE接続によって高速・低遅延の通信を実現します。閉域網に構築するIP-VPNのため、不安定なインターネット通信に影響されません。

また、FLESPEEQ LCMをご利用いただくことで、PC端末の調達やキッティング、適性処分まで、すべてお任せいただけます。Wi-Fi6に対応した最新型の機器も各種取り扱っているため、スピーディーに通信環境の改善が図れます。

さらに、FLESPEEQ Wi-Fiでは、電波調査により適切な無線APの配置設計が可能です。快適な無線LAN環境を実現します。

ほかにも、LANケーブル配線をはじめとしたLAN工事も承っております。まずは、お気軽にお問い合わせください。

日本通信ネットワークは、企業ごとに、企画立案から構築・運用までワンストップで、ICTソリューションサービスを提供しています。
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