ITAD(IT資産の適正廃棄)とは?押さえておくべき4つのポイントを解説

2024.11.11

LCM

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ITAD(IT資産の適正廃棄)とは?押さえておくべき4つのポイントを解説

不要になったIT資産は処分する必要がありますが、重要なデータが残ったまま適当に廃棄しては、情報漏洩や不正輸出などのトラブルが発生しかねません。

企業がIT資産を廃棄する際には、適切にデータを消去するだけでなく、環境保全のため端末のリサイクルなどにも取り組むことが求められます。

本記事では、ITAD(IT資産の適正廃棄)の概要を解説したうえで、押さえておくべき4つのポイントを紹介します。IT資産を廃棄する際のリスクを知り、正しく安全に処分できるよう理解を深めましょう。

ITADとは

ITADとはのイメージ

ITAD(アイタッド)とは、Information Technology Asset Dispositionの略語で、日本語では「IT資産を適正に処分する」という意味です。

ITADは、単に不要になったIT資産を廃棄するだけではありません。パソコンやネットワーク機器、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなIT資産を適切に廃棄することが目的です。

ITADを実施することで、IT資産廃棄によるプライバシーやセキュリティのリスクを軽減できます。また、適切に廃棄することで再利用やリサイクルが可能になり、環境への負荷を抑えることにもつながるでしょう。

IT機器の普及に伴い、ITADの重要性は年々高まっています。

参考記事:IT資産管理とは?目的や活用できるツールの種類、導入時の選び方を解説

ITADで押さえておくべき4つのポイント

ITADで押さえておくべき4つのポイントのイメージ

ITADにおける適正処分では、次の4つのポイントを押さえておくことが大切です。

  • 情報管理・セキュリティ対策を徹底する
  • コンプライアンス・ガバナンスを遵守する
  • サスティナビリティの視点を持って取り組む
  • ROI(投資利益率)を意識する

セキュリティリスクの軽減だけでなく、法令の遵守や環境への配慮、費用対効果の検証などもITADを実施するうえで重要になります。

情報管理・セキュリティ対策を徹底する

パソコンやネットワーク機器、スマートフォンといったIT資産の内部には、さまざまな機密情報が含まれています。仮にこれらのデータが外部に流出すると、企業イメージの毀損や損害賠償など、大きなトラブルへと発展する恐れがあります。

IT資産を廃棄する前には、保存された情報を確実に削除し、情報漏えいのリスクを最大限に排除しつつ廃棄することが大切です。

また、IT資産が廃棄されるまでには、業者がデバイスを回収し、保管する期間が存在する点にも注意が必要です。たとえ適切な廃棄を行っていても、廃棄する前の段階でIT資産が紛失したり情報が漏れたりする可能性はゼロではありません。

そのため、数多く存在する廃棄業者が、それぞれどのような情報管理セキュリティを実施しているのかを確認し、選別することが重要になります。

IT資産処分に関わる「ISO27001」や「ISO14001」などの認証規格も確認し、適切な業者を選定してください。

参考記事:情報漏洩による損害賠償の相場は?事例から読み解く金額やリスク

コンプライアンス・ガバナンスを遵守する

ITADは、コンプライアンスを徹底し、安全性を確保したうえでIT資産を適正に処分するという考え方に基づいています。

そのためには、IT資産に含まれる機密情報を預ける企業と、それを預かる業者の双方がコンプライアンスとカバナンスを徹底しなければなりません。

それと同時に、企業は社会的な責任として機密情報を厳正に保護する姿勢が問われます。IT資産の処分を行う際には、以下の法律を遵守することが大切です。

IT資産の処分に関係する主な法律 内容
情報の管理に関するもの 個人情報保護法 個人情報の適正な取り扱いを規定し、個人の権利を保護する法律
サイバーセキュリティ基本法 国や企業がサイバー攻撃に備え、安全なネット環境を構築するための指針
不正アクセス禁止法 不正なアクセスやデータの取得を防ぎ、インターネットの安全を守る法律
地球環境保護に関するもの 廃棄物処理法 廃棄物の適正な処理を規制し、環境保護を目的とする法規制
資源有効利用促進法 資源の効率的利用を促進し、リサイクルを推奨するための法律
特定家庭用機器再商品化法 特定家電製品のリサイクルを義務化し、廃棄物の減少を図る法律

サスティナビリティの視点を持って取り組む

サステナビリティとは、持続可能な環境・社会・経済を作り上げるための考え方や取り組みを指します。

ITADは、情報管理セキュリティやコンプライアンスに配慮するだけではありません。環境への配慮や社会への貢献といった、サステナビリティの視点を持って取り組むことが重要です。

近年は、先進国から不正に輸出されたE-Waste(電子廃棄物)に起因した、途上国の環境汚染問題が注目されています。パソコンをはじめとするオフィス機器、工業製品などから発生する有害物質は、環境や人々の健康に影響を及ぼすことが懸念されています。

E-Wasteを減らすためには、IT資産の再利用やリサイクル、環境に配慮した廃棄など、サステナビリティを意識したITADの推進が不可欠です。

またITADの実施は、SDGsの実現にも大きく寄与するでしょう。SDGsは、「持続可能な開発目標」として、環境や社会、経済に関する17の目標と169のターゲットから構成されています。

ITADは、IT資産の再利用やリサイクル、地球環境に優しい廃棄処理方法の選択により、SDGsにおける17の目標のうち、環境に関する以下の3つの目標に大きく貢献します。

SDGsの目標
目標13気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、
砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

参考:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組

ROI(投資利益率)を意識する

企業活動の一環としてITADに取り組む以上、ROIを意識することも大切です。

ROI(投資利益率)とは、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標です。

「導入費用から見たROI」と「処分費用から見たROI」の2つの視点から費用対効果を算出し、ITADへの投資が有効かどうかを判断する必要があるでしょう。

導入費用から見たROIでは、IT資産の購入費用に対する売却益が重視されます。IT資産を導入する際は、売却金額を考慮して投資することが求められるため、導入費用から見たROIでITADの費用対効果を算出するのが一般的です。

処分費用から見たROIでは、売却益を見込んでいないような場合に、IT資産の購入費用に対して処分費用がどの程度必要になるかを評価します。運搬や情報消去、廃棄にかかる直接的なコストだけではなく、データ消去作業、廃棄資産のリストアップなど、見えないコストも含めてITADへの投資判断を行うことが大切です。

合理的にITADを進めるためにも、IT資産を導入する時点で、処分までに必要となるコストの見通しを立てておくのが望ましいでしょう。

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IT資産には、企業の機密情報をはじめ、重要なデータが保存されているため、セキュリティ対策をせずに廃棄するのは危険です。

万が一データが流出するようなことがあれば、社会的な責任を問われることになるでしょう。

また、不正な廃棄物として輸出されれば、輸出先となる国の環境や、そこに住む人々の健康に悪影響を与えかねません。

そのため、IT資産はセキュリティ管理を徹底しつつ、適切な方法で安全に廃棄することが求められます。

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