
情シス 2024.11.11
2024.11.11
情シス
社内のシステムやIT機器のトラブルを迅速に解決するためには、社内ヘルプデスクの設置が有効です。
この記事では、社内ヘルプデスクの概要と設置するメリットを解説しています。また、ヘルプデスクで起こりがちな課題と、それに対する具体的な対処法もまとめています。
社内ヘルプデスクについての理解を深め、効果的に活用できるよう運営方法を検討するための参考にしてください。
まずはじめに、社内ヘルプデスクがどのような役割を果たすのかについて見ていきましょう。
また、社内ヘルプデスクと混同されがちな社内SEや、社外ヘルプデスクとの違いもあわせて紹介します。
社内ヘルプデスクとは、自社の従業員からの問い合わせに対応する業務または部署のことを指します。
具体的には、システムの操作方法を指示したり、パソコンにエラーが起きた際の対処法を教示したりと、IT機器や業務システムに関する問い合わせ対応が主な業務です。
自社に導入したシステムやソフトウェアを、従業員がうまく使いこなせないケースは少なくありません。また、トラブルが発生した際に従業員が自分で解決しなければいけない場合、本来の業務が止まってしまう原因になります。
社内ヘルプデスクを設置しておけば、上記のようなトラブルを迅速に解決し、業務の停滞を防ぐことが可能です。
また、社内ヘルプデスクは問い合わせへの対応以外にも、保有するIT資産(ハードウェアやソフトウェアなど)の適切な管理を行うこともあります。
このように、社内ヘルプデスクはシステムやソフトウェアの導入や、メンテナンスやセキュリティ対策の策定において重要な役割を果たします。
社内ヘルプデスクと社内SE(システムエンジニア)は、どちらもITに関するサポートを担うため、混同されがちです。
一般的な解釈では、従業員からの問い合わせに対応する組織、業務を社内ヘルプデスクと呼びます。一方で、社内のシステム開発やIT機器の導入、管理は行うものの、問い合わせには対応しない組織を社内SEとしているケースが見受けられます。
ただし、企業によっては両者を同様に扱うケースがあるほか、業務を兼任しているケースも珍しくありません。
明確に区別はできないものの、従業員からの問い合わせに対応するかしないかが、社内ヘルプデスクと社内SEの違いになります。
「社内ヘルプデスク」と「社外ヘルプデスク」の違いは、問い合わせ元になります。
社内ヘルプデスクは、自社の従業員が問い合わせを行いますが、社外ヘルプデスクは主に取引先や顧客が問い合わせ元になります。社内ヘルプデスクには寄せられない、クレームへの対応が必要になるのも社外ヘルプデスクの特徴です。
社外ヘルプデスクの目的は顧客満足度の向上にあり、自社の商品やサービスに関する顧客の疑問、不満をスムーズかつ的確に解消する役割を担っています。
社内ヘルプデスクを設けると、主に次のようなメリットがあります。
迅速なサポートによって従業員が安心して業務に臨めるほか、情シス部門の業務効率を上げる効果も期待できます。
業務を進めるにあたって、IT機器や業務システムに何らかのトラブルが発生したり、使い方に関する疑問が生じたりするケースは少なくありません。
このような場合に、社内ヘルプデスクが設置されていなければ、従業員一人ひとりが自身でトラブルに対処する必要があり、解決までに長い時間がかかってしまうでしょう。
一方で、社内ヘルプデスクがあれば、問い合わせることで、すぐにトラブルを解決することが可能です。これにより、IT機器や業務システムに詳しくない従業員でも、安心して日々の業務に臨めるようになります。
問題が起きた際でも、それに対応できる窓口があれば、従業員のストレスを軽減でき、パフォーマンス向上にもつながるでしょう。
これまで使っていた業務システムやIT機器を刷新する際は、「使い方がわからない」「不具合が起きる」といった問題が生じがちです。各従業員の知識や技術には差があるため、初歩的なトラブルに対処できない人もいるでしょう。
大小さまざまな問題をすべて情報システム部門に集約するとなると、問い合わせ対応に時間を取られ、システム開発などのコア業務に支障が出かねません。
そこで社内ヘルプデスクを設置すれば、問い合わせに対応する専任者を置けるため、情報システム部門が対応する必要がなくなります。その結果、コア業務がスムーズに進められ、業務の効率化に加えて生産性の向上にもつながるでしょう。
また、社内ヘルプデスクを設けることでナレッジが蓄積され、現場と情シス部門の間で起こりがちな非効率なやり取りも軽減されます。
社内ヘルプデスクは、従業員からの問い合わせに対応するだけでなく、導入済みのIT機器や業務システムの状況を常に把握する役割も担っています。
現状を常に把握していれば、問題が発生した場合にも、対処すべきポイントや脆弱箇所を早期に発見することが可能です。定期的なメンテナンスによって、脅威を未然に防ぐ効果が期待できます。
また、日頃からIT機器や業務システムの管理・整備が行われることで、トラブルが起きた際、迅速な対応ができます。
参考記事:IT資産管理とは?目的や活用できるツールの種類、導入時の選び方を解説
社内ヘルプデスクで起こりやすい課題としては、主に以下の2つが挙げられます。
社内ヘルプデスクの担当者は、専門的で幅広い知識が必要になるため、誰にでも任せられる業務ではありません。そのため属人化しやすく、担当者の業務負担が増えがちな点が課題です。
従業員からの問い合わせに適切に対処するには、導入済みのあらゆるIT機器や業務システムに精通していなければなりません。
しかし、サーバーやネットワーク、ソフトウェアなど、カバーすべき範囲は多岐にわたるため、担当者にはそれぞれの領域に対して十分な知識や技術を有していることが求められます。
とくに専門的な知識や技術が求められる問い合わせでは、その分野に精通した担当者のみが対応を行うケースが多く、業務の属人化が起こりやすいのが特徴です。
また、問い合わせ対応という業務の性質上、技術的なスキルだけでなく、的確に問題を聞きだして解決策を伝えるといったコミュニケーションスキルも必要になります。そのため「説明がわかりやすい」といった理由から、特定の従業員に問い合わせが集中することも考えられます。
仮に一人の担当者にノウハウや業務が偏ってしまうと、その人が休暇を取ったり退職したりすれば、途端に対応が困難になるでしょう。
その結果、組織全体の業務が滞り、業務効率や生産性の低下を招く可能性があります。
社内ヘルプデスクでは、社内のあらゆる部門からの問い合わせを一手に引き受けるケースもあります。
ある程度まとまった従業員がいれば対応も可能ですが、1~2人の担当者のみでヘルプデスクを受け持っている場合には負担が大きくなるでしょう。
また社内SEなど、他の業務とヘルプデスクを兼任していると、担当者の業務負荷が高まりやすくなります。
このほか、社内ヘルプデスクにはIT関連以外の質問が寄せられることも珍しくありません。そうなれば、問い合わせ内容が複雑化したり、対応件数が増えたりと、業務が煩雑になる恐れがあります。
特に、情報システム部門が社内ヘルプデスクも兼任している場合には、対応に追われてコア業務に割ける時間が圧迫されてしまうでしょう。
社内ヘルプデスクで生じる課題を放置していると、業務がスムーズに遂行できないほか、セキュリティレベルが低下するなどの問題にもつながりかねません。
こうした課題への対処法としては、以下のような施策が考えられます。
一つずつ紹介していきます。
社内ヘルプデスク担当者の属人化解消、および業務負担軽減を実現するためには、担当者が持つノウハウやナレッジを蓄積・共有できる仕組みを作ることが重要です。
これまでの問い合わせに対する回答内容や、トラブル時の対応フロー、解決方法などをまとめておくことで、社内ヘルプデスクが属人化してしまう事態を防ぎ、チーム全体で対応できるようになります。
また、まとまったデータは新たな人材の教育資料として活用することもでき、社内ヘルプデスクの品質向上にもつながります。
社内マニュアルがあれば、不具合やエラーといったトラブルが発生した際に、従業員が自分で対処方法を調べることが可能になります。
これにより、ヘルプデスクに連絡しなくてもトラブルを解決できるケースが多くなるでしょう。
また、マニュアルを参照することにより従業員の知識や技術の向上にも繋がり、トラブルの発生件数自体が減る効果も期待できるため、結果的にヘルプデスク担当者の負担軽減につながります。
担当者一人ひとりの負荷を減らし、効率的な対応を行うためには、社内ヘルプデスク向けのツールの導入も効果的です。
具体的な機能はツールごとに異なりますが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
FAQシステム | よくある質問をまとめ、ユーザーが自己解決できる仕組み |
チャットボット | 自動対話でユーザーの質問に即座に対応するシステム |
ナレッジベース | 技術情報や解決方法を蓄積し、共有するデータベース |
インシデント管理 | 問題発生時に対応履歴を追跡し、迅速に解決するシステム |
ワークフロー | 業務プロセスを自動化し、タスク管理や進行を効率化するツール |
なかには、問い合わせ対応を半自動化できるものもあり、担当者が一人ひとりのユーザーに個別で対応する必要がなくなります。
このような機能を複数搭載したヘルプデスクソリューションもあるため、自社の要件に合わせて適切なものを選びましょう。
自社の従業員のみでの対応が難しいようなら、ITアウトソーシングを活用することも一つの方法です。
ITアウトソーシングを利用すれば、業務の一部またはすべてを外部に一任できるため、ヘルプデスク業務に社内リソースを割く必要がなくなります。
その結果、担当者の業務負担を軽減したり、安定した運用を実現することが可能です。情報システム部門が兼任していた場合には、外部委託によってコア業務に注力できるようになり組織全体の生産性向上も期待できます。
また、自社での採用や教育にかかるコストを削減できる点も大きなメリットです。
参考記事:ITアウトソーシングとは?メリットや活用方法、具体例を解説
社内ヘルプデスクは、社内のIT機器やシステムの利用方法、トラブルなどの問い合わせ対応やIT資産の管理を行う部門です。
その性質から社内SEと混同されることも多く、実際に兼任しているケースも珍しくありません。
業務のスムーズな遂行に欠かせない部門ですが、その専門性の高さから、属人化が起こりやすいといった課題があります。また、情シス部門と兼任しているケースなどでは、担当者の負担が大きくなりがちです。
これらの課題の解決には、社内ヘルプデスク向けのツールで効率化を図る、業務をアウトソースするといった対策が有効です。
FLESPEEQ LCMでは、社内ヘルプデスクのアウトソースを承っております。
PCに関する問い合わせ対応や、各種ツールのアカウント管理・パスワードリセット等、様々な問い合わせに専門エンジニアが対応するため、情シス担当者様が不在でも安心してご利用いただけます。
またヘルプデスクの他にもIT資産の調達やキッティング・適正処分のみなど、必要な部分だけをお任せいただくことも可能です。ご相談やお見積りは無料なので、オンラインまたはメール、お電話でお気軽にお問い合わせください。
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