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2017.09

クラウド化への対応を見据えた通信インフラ設計のポイントとは?

これまでは構内に閉じていたLAN上のサーバーで稼働していた業務システムを、インターネットを通じて利用する「クラウド化」というコンセプトが確立したのは2006年、当時のGoogle社CEOシュミット氏の発言によるとされています。

01着実に進む社内システムのクラウド化

これまでは構内に閉じていたLAN上のサーバーで稼働していた業務システムを、インターネットを通じて利用する「クラウド化」というコンセプトが確立したのは2006年、当時のGoogle社CEOシュミット氏の発言によるとされています。それから10年以上の時を経て、当初は電子メールやグループウェアのような情報系の分野から進んできたクラウド利用は、基幹系システムにも広がりつつあります。現在では会計システム、経費システム、販売管理システム、ERPなど様々な業務システムがクラウドで提供されており、表計算や文書作成のアプリケーション、あるいはPCそのものさえクラウド越しに利用することが可能です。システム投資コストを抑えつつ、必要な「機能」を利用したい会社にとってクラウドサービスはもはや欠かせない選択肢と言えます。事実、クラウド利用を第1の選択肢とする「クラウドファースト」の方針で情報システムの設計や移行を考える企業が増えており、クラウド化の波は今後より加速していくと考えられます。

02パブリック・クラウドとVPNを併用するのは手間がかかる?

そのクラウド化にもいくつかの形態があります。有名なAmazon AWSやMicrosoft Azureは一般にパブリック・クラウドと呼ばれるサービスで、クラウド・プロバイダーが仕様を決めて提供する仮想サーバーを使って自社に必要なシステムを構築する方式です。物理サーバーを他社と共用することになるため初期費用が低く従量課金で利用可能なことから、ちょっとしたサービスは非常に安く構築・運用することができます。一方でサーバーOS等の基本仕様はプロバイダー側の仕様に制約されるため自由になんでもカスタマイズすることはできません。また、パブリック・クラウドはインターネットを経由しての利用が基本なのに対して、VPNは「疑似専用線」でありインターネットとの通信を行わないサービスです。このため例えば本社/支社、営業所間をVPNで接続しているときに本社のオンプレミス環境で稼働させていたサーバーをパブリック・クラウドに移行しようとすると手間がかかることがあります。

03今すぐパブリック・クラウド化するのが最善の策とは限らない

パブリック・クラウドには大きなメリットがあるため、社内の既存のサーバー群を一気にパブリック・クラウドへ移行しようとするケースも多いのですが、カスタマイズの制約やセキュリティを考えた時に必ずしもそれが最善の策とは限りません。クラウドには他社と共用しない自社専用環境として構築できるプライベート・クラウドという方式もあり、こちらのほうがカスタマイズの自由度やVPNとの接続も容易なため、オンプレミス環境からの移行はしやすい傾向があります。パブリック・クラウドへの移行を図る企業でも、第一段階として社内向けシステムは仮想化のみ行い、パブリック・クラウドの利用はECサイトなどの社外向けシステムに限定、第二段階で社内向けシステムをプライベート・クラウドに移行、その運用経験を積んだ上で最終的にパブリック・クラウドへと段階的に進める例があります。

04事業の特徴を踏まえてクラウドを含む通信インフラを企画しよう

物販・飲食・医療など業界が違えば違うニーズがありますし、同じ業界でも会社によってまた利用拠点によってITと通信へのニーズ、活用状況も将来の事業戦略も千差万別です。建設会社や商事会社など、社外を移動しながら働く社員が多い会社ではインターネットから業務システムへアクセス可能にするメリットが大きいため、パブリック・クラウドへ移行することを前提に必要なセキュリティ対策を考えるのが合理的です。一方、営業所内での勤務がほとんどの会社ではプライベート・クラウドのほうが向いている場合もあります。AIやビッグデータの活用などに必要な大規模なデータ処理を短時間に済ませたい場合はパブリック・クラウドを選ぶべきです。適切な通信インフラを構築するためには、他社の事例を参考にしつつ各社各様に異なるそれらの特徴を把握して構想を立てなければなりません。経営の安定と成長を望む中小企業にとって必要なのは、回線が切れたときにもクラウド化の企画を立てたいときにも、いつでも電話1本で相談に乗ってくれる、IT・通信のプロフェッショナルなのです。
日本通信ネットワーク株式会社は、通信に関するコンシェルジュとして中小企業の多拠点間接続のマネジメントを一手に引き受けるサービスを提供しています。